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夢幻水滸伝

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第百四話 公園においてその四

「あたいの呼び方じゃないでしょ」
「女性をそう呼ぶのはな」
「だからなのよ」
「その呼び方か」
「あの娘もやがて仲間になるしね」
「それはそうだが」
 それでもとだ、インペルはアレンカールにどうかという顔で述べた。
「彼女はな」
「怖い娘だっていうのね」
「起きた世界では清楚華憐で優しいお嬢様だが」
 インペルもその時の女帝は知っていた、一見冷たい印象だが話をしてみるとそうした人間であるのだ。
「しかし」
「こっちの世界ではね」
「恐ろしい君主だ」
「冷酷非情な」
「敵には容赦なくだ」
 インペルはエカテリーナのことをさらに話した。
「その統治も厳格だ」
「法治主義でね」
「そして刑罰は厳しい」
「絶対なまでに」
「ああした統治は」
 アレルフォも述べた。
「太平洋にはないからね」
「地下世界も北極もしてないわよ」
「当然カナダや台湾も」
「全くね」
「まあそれでもね」 
 アレルフォはここでこうも言った。
「北朝鮮みたいな統治は何処もしてないから」
「というかあれは」
 海賊の身なり、宇宙海賊の様な恰好でしかも右目に眼帯までしている長い金髪に碧い目のゾンビであった。地英星エンリケ=インファンテだ。キューバ出身で職業は海賊持っている神具は銛に似た形のオリンディクスの槍に大快特エドワード=ティーチの銃である。
「漫画の様な」
「統治だね」
「そうそうない様な」
 あまりにも酷過ぎてというのだ。
「それこそ」
「まあそうだけれどね」
 アレルフォも否定せずに返した。
「あの国の統治は」
「そうだな」
「うん、ただエカテリーナさんはね」
「実際に」
「こちらでは峻厳な君主なんだよ」
「氷帝とも言われるまでに」
 インファンテも述べた。
「恐ろしい統治か」
「そうなんだよね」
「しかしそれは公人であって」
 今度は紫に近い黒の肌の整った顔立ちの魔族が出て来た、着ている服は動きやすいエルフのズボンと上着を思わせる。耳の先が尖っている。地闊星エルネスト=ダーリオだ。ニカラグア出身で職業は風水師であり神具は気候を操るチャリのベルと知力を上げるショチピルリの冠である。
「私人としては」
「そう、これがね」
「清楚華憐でもの静かで」
「繊細で優しい娘なのよ」
 アレンカールはダーリオにも話した。
「これがね」
「左様ですか」
「そう、そしてタゴール君もね」
 アレンカールは彼の話もした。
「鷹揚で陽気で気前のいい」
「いい人ですか」
「かなりね」
「しかし一見すると」
 今度は大柄な精悍な男と見えたが鬼だった、闘牛士を思わせる派手な服にマントまで持っている。地闘星トニオ=セペルベダである。チリ出身で職業は闘士であり持っている噛む具は神の力を宿したナックルのシウコアトルと力を挙げる帯コヨルショウキである。 
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