夢幻水滸伝
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第百四話 公園においてその六
「いい人は」
「やはりいい人で」
「それは変わらない」
「そしてあの二人も実は」
「苛烈であっても善政で」
「国も民も豊かになってる」
「私利私欲で政はしてへん」
このことはというのだ。
「そこはええな」
「ほんまに」
「私利私欲で政をすると」
どうかとだ、アレンカールも言うことだった。
「最悪よ」
「その通りですね」
インファンテも頷くことだった。
「国家元首、こっちの世界では棟梁がそうしますと」
「もうね」
「国も民もですね」
「乱れるから」
それでというのです。
「塗炭の苦しみも味わうわよ」
「北朝鮮みたいに」
「いい事例ね」
こうした話ではあの国ことがというのだ。
「実際に大変なことになってるでしょ」
「はい、国民は餓えて国土も経済も滅茶苦茶で」
「ああなるからよ」
「といいますか」
白い鱗の竜人の女が言ってきた、竜人の中では小柄で青とピンクの法衣とタイツの様なズボンが目立つ。地暗星ニキータ=ソラノだ、コロンビア出身で職業は青魔術師神具か己の魔力を上昇させるファタ=モルガーナの杖に足元にいる喋り魔力も備えている使い魔九尾の黒猫だ。
「ああしたことをして楽しいんでしょうか」
「楽しいんでしょ」
アレンカールはニキータに微妙な顔で答えた。
「だからよ」
「やってるんですか」
「そうなんでしょ」
「そのうち叛乱起こされますで」
ニキータはこうも述べた。
「ああしたアホな政は」
「そうなるのが常ね」
「あそこでは起きてませんけど」
「起こそうとしたら徹底して粛清するから」
「それが効いてますか」
「それはニキータちゃんもわかるでしょ」
「はい、けど最後はって思ってます」
その末路はというのだ。
「うちは」
「それはそうでしょうけれどね」
「今のとこはですか」
「それで通用してるのよ」
叛乱、それが要人のクーデターでもだ。北朝鮮は徹底した粛清でそれを抑え込んでいるというのだ。
「だから今も続いてるのよ」
「ああした政が」
「ああしてね」
「ですがニキータさんの言う通りに」
今度はマントに古風な十九世紀の欧州のスーツのジャガーマンが言ってきた、首にあるのは細いリボンだ。地速星マルコ=リョサである、ウルグアイ出身で職業はエクソシスト持っている神具は命の書と無数の魔を倒す銀の短剣ヘルシングの剣である。
「そうした悪政、愚政の類は」
「だから結末はね」
「叛乱ですね」
「そうなるわよ」
「それは変わらないのですね」
「ええ、ただね」
それでもとだ、アレンカールはまた話した。
「今のところはよ」
「功を奏していますか」
「そういうことよ」
「そうですか、しかし僕も」
どうかという顔でだ、リョナは述べた。
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