夢幻水滸伝
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第百四話 公園においてその三
「皆それぞれの地域を統一したからね」
「あの戦術は一般市民を巻き込む」
インペルは深刻な顔でアレルフォに話した。
「一般市民の中に紛れ込んで戦うからな」
「そうなんだよね」
「街を歩いている敵を撃つ」
「そして市民の中に隠れるんだよね」
「軍の施設も襲う」
所謂テロを行うのだ。
「そうしたこともするからだ」
「やがて敵の方も焦ってね」
「一般市民とゲリラを一緒にだ」
「殺すからね」
「これは最初からだった」
ゲリラがはじめて用いられたナポレオンが侵攻したスペインではじまったことだ、ナポレオンはスペイン王を自分の兄にし二十万の大群を駐留させたがその彼等にスペインの民衆はこれで対したのである。
「まさに」
「そうなんだよね」
「敵の戦力、心理的にな」
まさにと言うのだった。
「消耗は激しいが」
「特に心理的にね」
「しかし行う方もな」
「一般市民を殺されるからね」
「酷いことになる」
「だから行うべきではないわね」
「とてもな」
到底とだ、インペルは言ったのだった。
「すべきでない」
「まことにね」
「とてもだ」
「それが行われなかったね」
「誰もわかっているからだ」
「太平洋の皆はね」
星の者達はというのだ。
「全部わかっているからね」
「しなかった」
「皆正攻法だったわね」
「一般市民を傷付けてまで勝とうと思う者はいない」
「だからよかったわね」
「まことにな」
「というかね、統一はね」
それはとだ、アレンカールも言ってきた。
「絶対にするし」
「そうならね」
「一般市民はね」
「傷付けないで」
「それでだね」
「統一をして」
そしてというのだ。
「国を豊かにしたいから」
「だからだね」
アレルフォもアレンカールに頷いて応えた。
「皆ゲリラ戦はね」
「そもそも国土や民衆を傷付けることはしないのよ」
「比較的奇麗に戦ってるね」
「ええ、まあロシアやインドは違うけれど」
「容赦がない」
インペルが言ってきた。
「まさにな」
「そうなのよね、エカチェリーナちゃんもタゴール君も」
「そうだな、だが」
「あっ、ちゃん付けね」
「トルストヤ君ではないのか」
「その呼び方はね」
どうもと言うのだった。
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