八条学園騒動記
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第五百二十七話 お見合い相手その六
「アフリカの神々も信仰されていて」
「連合の神々は多いですね」
「様々な神々がいて」
「宗教もですね」
「多くて。八百万という言葉は」
ミンチンはこの言葉も出した。
「これは元々は日本の言葉でしたね」
「日本の神々は特に多いですね」
「あまりにも多くて」
日本の神道はこの時代も日本限定だが存在している、神社は日本の至るところに存在している。それも寺と同じく。
「それで、でしたね」
「八百万ともですね」
「言われていますね」
「多いという意味ですが」
それもかなりにだ。
「今の連合は」
「それだけの神々がですね」
「いますね」
「宗教も」
「そしてイスラムも」
「その中にありますね」
「連合の中に」
自分達の国の中にというのだ。
「確かに」
「そしてメソポタミアも」
今観ているこの世界もというのだ。
「ありますね」
「そうですよね」
二人でこうした話もしてだった、メソポタミアのコーナーを巡った。そしてそのうえでマリアはミンチンにこうも話した。
「それでお話し忘れていましたが」
「何でしょうか」
「はい、お相手のことですが」
中南米の文明、アステカやマヤのコーナーに入って話した。インカのものもある。
「お名前をお話していませんでしたね」
「はい、そういえば」
実際にとだ、ミンチンも答えた。
「そうでしたね」
「トラップさんというそうです」
「トラップさんですか」
「それがその方のお名前です」
「若しかして」
その名前を聞いてだ、ミンチンは考える顔になってマリアに話した。
「私が以前受け持っていたクラスの」
「学生さんですか」
「はい、確かクロアチア人の」
「クロアチアの方ですか」
「そうだったかと」
「あのリゾートで有名な国ですね」
「それとワインの」
ミンチンはこちらも話に出した。
「奇麗な海を持っている惑星の多い国ですね」
「その国の方でお父さんは軍人さんだとか」
「軍人さんですか」
「学生の頃は大佐だったとか」
「大佐でしたか」
「はい、今は昇進されていますね」
時が経ってだ、軍人も歳月と共にある程度年功序列で昇進していく。これは連合軍でも同じことである。
「十年以上昔のことなので」
「十年以上ですか」
「確か先生より一年か二年です」
それ位だというのだ。
「学年は上でしたね」
「では同じ頃に在学していましたね」
「そうですね、大学でも」
「先生がご存知の方でしたか」
「そういえば随分文系特に音楽の歴史が好きで」
「音楽ですか」
「はい、そちらが」
こうマリアに話した。
「造詣の深い生徒さんでした。部活は合唱部で」
「あちらの部活ですか」
「そうでした、いい生徒さんでした」
そうだったというのだ。
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