八条学園騒動記
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第五百二十七話 お見合い相手その四
「コーランはハッピーエンドが多いですね」
「そうですね、確かに」
マリアも頷くことだった、コーランのそれには。
「聖書では悲しい結末でも」
「コーランではです」
「ハッピーエンドで」
「ダビデ王も」
「聖書では過ちを犯し報いを受けますが」
「コーランでは違いますね」
「立派な王として終わりますしモーゼも」
この人物もだ。
「ハッピーエンドです」
「聖書とは本当に違いますね」
「キリストも生きています」
コーランではイーサーという。
「ゴルゴダの丘で処刑されず」
「それで、ですね」
「逃げ延びて」
ユダか彼の弟が身代わりになったという。
「そしてです」
「活躍を続けたとありますね」
「メソポタミアがあった地域にです」
「はい、イスラムは栄えましたね」
「そして今に至りますが」
「過去を尊重しているので」
このこともあってというのだ。
「素晴らしい宗教ですね」
「本当にそうですね」
「アッラーは偉大なりですが」
「まことに偉大ですね」
「だからこそこのメソポタミア文明の跡地においても栄えた」
「チグリス=ユーフラテス川流域で」
二人はイスラムからもメソポタミアを想った、その中でミンチンはアナト女神の像を見てその説明も見て思った。
「この女神は強かったとか」
「今はスポーツの女神ですね」
「ですがかつては」
「戦いの女神で」
「随分と戦いに強く」
「荒ぶる神でしたね」
マリアも知っていることだった。
「古代メソポタミアでは」
「それが今信仰が復活して」
「スポーツの女神となって」
「勝利の為の努力を奨励する」
「そうした女神ですが」
かつてはというのだ。
「敵を容赦なく殺戮する」
「そうした一面もありましたね」
「まさに荒ぶる神です」
「そうでしたね」
こう話すのだった。
「かつては」
「それはイシュタル女神も同じでしたね」
「そうですね、愛の女神ですが」
そして美も司る、ギリシアに入ってアフロディーテーとなったことはかなり有名な話であり連合でもよく知られている。
「今は恋愛成就に特化していますが」
「そうした信仰ですね」
「それがです」
かつてはというのだ。
「戦いの女神でもあって」
「残酷な一面もありましたね」
「はい、イシュタル女神もまた」
見ればアナトの像と説明の横にイシュタルのそれがあって他のメソポタミアの神々の像や説明もある。
「荒ぶる神で」
「怖い一面がですね」
「ありましたね」
「それが今では」
ミンチンはこの時代の連合の信仰を話した。
「優しい女神ですね」
「そうですね、アナト女神も」
「努力を尊んでいて」
スポーツへのそれをだ。
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