八条荘はヒロインが多くてカオス過ぎる
しおりを利用するにはログインしてください。会員登録がまだの場合はこちらから。
ページ下へ移動
第二百三十八話 キーウィ入りのカレーその十四
「そこで太鼓持ちみたいなことしてるみたいだよ」
「太鼓持ちですか」
「強い人には媚びてね」
「弱い者いじめしてますか」
「碌な奴じゃないから」
人間として最低だ、だから僕も相手にしなかった。
「問題外だよ」
「そうした風な行いもですよね」
「したら駄目だよ」
「そんなことは」
「そいつみたいになるから」
こう居合部の娘に話した。
「人間としてどうかというレベルの奴だったから」
「最低ですか」
「最低も最低だよ」
心の底からそう思う。
「しかも喧嘩の強い相手をけしかける様な」
「そんなこともですか」
「してるから」
「自分でしないで」
「自分でもするけれど」
「そうしたこともですか」
「してるの見たから」
自分が嫌いな相手の色々なことをその喧嘩の強い同級生や先輩に色々吹き込む、そんなこともしていた。
「それを見て僕もね」
「嫌いになられたんですね」
「うん、それでその本性がね」
「出席簿のこともですね」
「同級生にも先輩にもばれて顧問の先生もね」
幸い頭のいい先生でよかった、学校によくいる馬鹿な先生だと気付かないでその部活は大変なことになっていた。
「怒ってね」
「部活追い出されたそうですね」
「そうなったよ、部活で下級生いじめてたし」
このことでも評判が悪かった。
「クラスでも性格悪くて有名で」
「嫌われていて」
「八条学園にもいられなくなって」
あまりにも嫌われてだ。
「別の高校行ったけれど」
「その高校でも」
「兵庫県で一番柄の悪い高校にね」
ついでに言うと偏差値も一番下だ。
「それでそこでもね」
「嫌われてるんですね」
「同じことしてるみたいだから」
そうした最低な行いをだ。
「この前偶然見たらチンピラみたいになってたよ」
「外見もですね」
「中身がそうだったから」
上に下衆な、という言葉がつくだ。
「それになっててね」
「性格が外見に出たんですね」
「そうだね、僕もそう思って」
それでだった、今住んでいる八条荘に行く前のことだ。
「無視したよ」
「関わらなかったんですね」
「向こうは僕だって気付いたみたいだけれど」
僕の方をちらりと見た、その仕草から察していることだ。
「けれどね」
「無視して」
「そのままだったよ、もうね」
それこそた。
「二度と会いたくないよ」
「そうですか」
「まあいい死に方しないだろうし」
あまりにも嫌われていてだ。
「どうでもいいよ」
「そうですか」
「そいつのことはね」
「世の中そうした人もいますね」
「どうしようもない位性格が悪い奴もね」
正直言って僕がこれまで会った中で指折りの性格の悪さだった。
「いるってことだね」
「そうですね」
「うん、じゃあまたね」
居合部の娘に挨拶をしてだ、ジョーンさんにもそうした。
「縁があったらまたね」
「その時はまたカレーを」
「頂くよ」
僕はジョーンさんに笑顔で言った、そうしてふらりと次の場所に向かった。
第二百三十八話 完
2019・6・1
ページ上へ戻る