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八条荘はヒロインが多くてカオス過ぎる

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第二百三十八話 キーウィ入りのカレーその三

「甲乙つけ難いね」
「そうですか」
「うん、どうもね」
「そうなのですわね」
「ちょっとね」
 どっちも美味しくてだ。
「判断しにくいよ」
「皆さんそう言われて」
「勝敗がだね」
「競っていますの」
 つまりついていないというのだ。
「今も」
「そうなんだね、というかどっちのカレーも」
 食べ比べたからこそ言えた。
「本当にね」
「互角ですね」
「どうもね」
「そうですの」
「これはどっちも売れるし」
 それにだ。
「評判もいいと思うよ」
「互角で」
「これが同じ種類のカレーなら」
 例えばどっちもビーフカレーならだ。
「わからなかったけれど」
「それでもですのね」
「逆に同じ種類のカレーなら」
 僕はこうも思った。
「わかりやすいかな」
「優劣が」
「うん、けれどね」
「ポークカレーと野菜カレーですと」
「カレーはカレーでもね」
 それでもだ。
「しかも片方辛口で片方甘口だから」
「余計にですの」
「優劣つけにくいかな」
 僕はジョーンさんに話した。
「それなら」
「そういうものですの」
「ほら、羊のステーキも」
 ジョーンさんにニュージーランドでよく食べるものの話もした、オーストラリアもそうだけれどニュージーランドも羊の国でよく食べるのだ。
「ソースを変えたらね」
「同じステーキでも」
「味が違うね」
「言われてみますと」
「だからね」
 それでだ。
「そうしたことを考えると」
「カレーはカレーでも」
「辛口のポークカレーも」
 居合部のそれとだ。
「甘口の野菜カレーも」
「わたくし達乗馬部のカレーも」
「違っていてね」
「優劣については」
「言えないかな、だからね
「味の評価も売り上げも」
「競っているのかな、ただどのカレーも」
 食べてみてわかった、それもはっきりと。
「日本のカレーだね」
「はい、そうです」
「その通りですわ」
 居合部の娘もジョーンさんもその通りと答えてくれた。
「ルーも感じもご飯も」
「どちらもです」
「そうだよね、日本のカレーはね」
 僕は野菜カレーを食べつつ話した、本当に美味い。ポークカレーはもう食べているけれどこっちも美味しかった。
「日本で進化した」
「日本独自のお料理ですわね」
「インド料理かというと」
 ジョーンさんに話した。 
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