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八条荘はヒロインが多くてカオス過ぎる

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第二百三十八話 キーウィ入りのカレーその二

「実は競っているのは売上だけでなく」
「味でもなんだ」
「むしろこちらの方が」
「こっちにはカレー屋の娘さんがいるんですよ」 
 居合部の娘が言ってきた。
「二年の先輩に」
「二年って僕と同学年だね」
「はい、葉山さんっていう人で」
「ええと、その人は」
「商業科の人で」
「そうなんだ」
「ご実家は西宮で」
 兵庫県だ、ここにいる人は宮っ子という。
「神宮の近くの」
「カレー屋さんなんだ」
「はい、ですから」
「カレーについてはなんだ」
「こっちは強いですよ」
「味もだね」
「絶対の自信があります」
「それでなんだ」
「こっちのカレーもです」
 乗馬部のカレーだけでなくというのだ。
「召し上がって下さい」
「それじゃあ」
「両方ですね」
「頂くよ」
 こう答えてだ、僕はまずは居合部のカレーを食べた。ポークカレーは辛口でピリリとしてそれが小欲をそそった。
 それを食べてだ、僕は居合部の娘に言った。
「美味しいよ」
「そうですよね」
「ご飯もいい具合に炊かれていて」
「このご飯もです」
「炊き方をだね」
「先輩がお話してくれて」
「カレーに合う様に」
「ジャポニカ米を」
 所謂日本のお米だ。
「日本のカレーに合う様に」
「その様にだね」
「炊かれていまして」
「それでなんだ」
「豚肉と人参、玉葱、ジャガイモをじっくりと煮込んで」
 そうしてというのだ。
「作ったカレールーとです」
「そのご飯とでだね」
「この味です」
「そうなんだね」
「はい、そうです」
「確かに美味いよ、じゃあ」
 今度はだった。
「次はね」
「こちらのカレーですね」
 ジョーンさんが言ってきた。
「食べてくれますね」
「そうさせてもらうよ」
「こっちも美味しいですよ」
 ジョーンさんはこう言ってすぐにだった。
 その野菜カレーを出してきた、こちたのカレーは。
 人参に玉葱、ジャガイモにピーマンにアスパラガスにだ。
 そのキーウィも少しだが入っていた、それを食べるとだった。こちらは甘口でキーウィの甘酸っぱさも利いていてだ。
 こちらも美味しかった、それでジョーンさんに言った。
「こちらもね」
「美味しいですか」
「ご飯もいいね」
「こちらも炊き方もですの」
「気をつけているんだ」
「はい、そうしていますから」
「だからだね」
 僕はその野菜カレーを食べつつ話した。
「この味だね」
「そうです、それで」
「ああ、どっちがより美味しいか」
「どうなのでしょうか」
「難しいね」
 正直こう言うしかなかった。 
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