八条荘はヒロインが多くてカオス過ぎる
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第二百三十八話 キーウィ入りのカレーその一
第二百三十八話 キーウィ入りのカレー
僕はエルザさんの勧めに従って今度は乗馬部の屋台に行くことにした、各部が開いている屋台は中庭に出ている。
相変らず色々なものが売っている、たい焼きにたこ焼きにお好み焼き、ベビーカステラにクレープに焼き鳥にだ。
おうどんもあればラーメンもある、そしてカレーもある。
そのカレーのお店は居合部が開いているのと乗馬部が開いているのが並んでいた。その乗馬部の方に行くと。
丁度ジョーンさんがいて僕に笑顔で言ってきた。
「いらっしゃいませ」
「エルザさんから聞いたけれど」
僕はそのジョーンさんに言った。
「ここのカレーはキーウィが入ってるよね」
「はい」
その通りだとだ、ジョーンさんは僕に答えてくれた。
「そうですわ、わたくしの提案で」
「そうだよね」
「野菜カレーで」
それでというのだ。
「キーウィを隠し味に入れていまして」
「それでだね」
「美味しいですわ」
「甘酸っぱさが入って」
「キーウィは身体にもいいですから」
とにかくビタミンが豊富だ。
「ですから」
「ジョーンさんも提案したんだね」
「そうですわ、我が国では」
ニュージーランドではというのだ。
「羊のお肉とキーウィで」
「皆が食べて」
「健康ですわ」
「そうなんだね」
「ですからキーウィは」
「カレーに入れても」
「食べてもいいと思いまして」
美味しくて体にもいいからだ。
「皆さんに提案しましたの、そうすれば」
「いいってなって」
「それで食べてみましたら」
「美味しかったんだね」
「それでお店も繁盛してますわ、ただ」
「ただ?」
「ライバルがいまして」
ジョーンさんはここで居合部の方を見た。
「そちらに」
「ああ、居合部の」
「同じカレーですから」
「それは仕方ないね。じゃあ売り上げは」
「競っています」
「一方的に負けたりはだね」
「していないですが」
それでもという返事だった。
「ですが」
「それでもなんだ」
「はい、互角で競っていて」
それでというのだ。
「中々です」
「そうなんだね」
「あちらはポークカレーで」
豚肉のカレーだというのだ。
「こちらはです」
「野菜カレーだね」
「はい」
そうだというのだ。
「キーウィ入りの」
「そうだよね、それで味は」
「どうぞ」
「こちらもです」
ここで居合部の方からも言ってきた、少し気の強い感じのアジア系の女の子だ。黒髪のショートヘアが可愛らしい。
「どうぞ」
「あっ、両方だね」
「食べ比べて下さい」
「いいのかな」
「はい、どうぞ」
ジョーンさんから言ってきた、居合部の娘ではなく。
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