夢幻水滸伝
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第百二話 大社の中でその五
「そんな人滅多にいないね」
「そこまで太ったら健康に悪いでごわす」
北原はギンズバーグにはっきりと答えた。
「だから滅多にでごわす」
「そうした人はいませんか」
「力士さんは太っているでごわすが」
「あの人達太ってませんよ」
オコナーがきっぱりと否定した。
「見ていますと」
「わかったでごわすか」
「脂肪一枚の下は」
「筋肉でごわすからな」
「それはです」
まさにというのだ。
「肥満じゃないです」
「筋肉質というでごわすか」
「はい、ですから」
「力士さんは外すでごわすか」
「あの人達の問題は」
それはというと。
「過酷な稽古と食事やないかと」
「それも知っているでごわすか」
「力士の人達の平均寿命は短いとか」
「実はそうでごわす」
「結構若くして、ですね」
「亡くなる人が多いでごわす」
無論誰もがではない、この辺りは人それぞれだ。
「大食と大酒のせいでごわすか」
「どちらも桁がちゃいますよ」
オニールもこう言ってきた。
「アメリカ人も食うって言われてますけど」
「それも肥満の原因と言われているでごわすか」
「けど日本の力士の人達は」
「もっと食うでごわすからな」
「お酒も。あれだけの飲み食いに過酷な稽古とか」
「そうしたのが理由でごわすな」
「若くして、って人が多いんちゃいますか」
北原に真面目な顔で話した。
「やっぱり」
「そうでごわすな」
北原も否定せずに答えた。
「やはり」
「はい、それで力士さんと違ってアメリカ人はですか」
「脂肪が多いでごわす」
筋肉でなく、というのだ。
「思えばやっぱち違うでごわすな」
「というか日本人は少食っす」
セリューは食事量のことも話した。
「マクドナルドとか見てびっくりしたっすよ」
「ハンバーガーもナゲットも小さくて」
ヴォネガットもこう言った。
「足りないです」
「コーラやシェイクも量が少なくて」
ミニーも指摘した。
「あれでは足りません」
「それはよく言われるでごわす」
食事の量の指摘については北原も答えた。
「アメリカ以外の国からもでごわす」
「やはりそうっすね」
「中国からの子にも言われるでごわす」
「あの、日本人も大柄な人結構いますよね」
オコナーもどうかという顔で話した。
「そうした人は足りないんちゃいます?」
「そう言う人も多いでごわすな」
「やはりそうですね」
「八条学園の食堂は多いでごわすが」
「それでも平均してですね」
「少ないでごわすから」
「大柄な人は困っていますね」
「おいどんも困っているでごわす」
北原自身もというのだ。
「実際に」
「北原さんご自身もですか」
「そうでごわす」
「そして全体的に食事のカロリーが少ないですね」
ジェーンはこのことについて言及した。
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