夢幻水滸伝
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第百二話 大社の中でその六
「どうも」
「和食はそうでごわすな」
「ハンバーガーやお菓子にしても」
カロリーが多くなる食べものでもというのだ。
「そうなっているでごわす」
「やはりそうですね」
「だから太っている人が少なく」
そしてというのだ。
「太り方もそれ程ではないでごわすか」
「アメリカではお肉にアイスクリームがこれでもかで」
オニールが話した。
「肉料理もかなりのカロリーで」
「それで、でごわすよ」
「アメリカ人は肥満している人が多いですか」
「それもかなりの太り方だでごわす」
「そのことを言われますか」
「沢山食べてもでごわす」
例えそうしてもというのだ。
「普通のカロリーのもので運動をすればでごわす」
「極端な肥満はないですか」
「そうなるでごわすよ」
「そうなのですね」
「お腹の脂肪が膝まで垂れ下がる位になるとでごわす」
まさに安禄山の様にだ。
「健康にも悪いでごわす」
「それは言うまでもないですね」
ギンズバーグも頷くことだった。
「幾ら何でも」
「だから言われるでごわす」
「アメリカ人も」
「とはいっても最近確かに太った人が多い国が増えたでごわすな」
北原は先に挙げられた国々のことも思った。
「随分と」
「はい、中国にしてもブラジルにしても」
「食べているということでごわすが」
食べているから太る、このことは自明の理だ。
だがそれでもとだ、北原はさらに話した。
「食べるものの内容を考えるべきでごわすな」
「そうしないと太るのですね」
「そうでごわす」
ギンズバーグにも言うのだった。
「アイスクリームや油の多い肉料理ばかりではでごわす」
「太るのですね」
「そういうことでごわすよ」
「食生活が問題ですか」
「そうでごわす」
「納得しました、では」
ギンズバーグはここで述べた。その述べることはというと。
「北朝鮮の将軍様は」
「国民を餓えさせてでごわすな」
「あの肥満は」
「おいどんが今言っているアメリカ人の様でごわすな」
「まさにそうですね」
「一六七センチで一三〇キロか一四〇キロらしいでごわすが」
外見から見て脂肪率は言うまでもなかった。
「あれは愚劣でごわす」
「そうなりますか」
「アメリカ人は自分のことでごわす」
「自分で食べて太っていますか」
「皆が食べてでごわす」
「つまり市民がですね」
「皆太っているでごわす」
それでしゃかいもんだいになっているのだ、このことは中国やブラジル、オーストラリア等も同じである。
「しかしあの国は一人だけ肥満でごわす」
「市民、いや人民は餓えていて」
ギンズバーグは市民を人民と訂正した、日本語では北朝鮮の国民はこう表現するからだ。もっと正確に言えば臣民だろうか。
「そしてですね」
「痩せ細っているでごわすが」
「あの将軍様だけは太っていますね」
「三代続けてでごわす」
しかも世襲である、共産主義国家であるのにだ。
「こうしたことはでごわす」
「最悪の話ですね」
「国民に肥満が多いことは社会問題でごわす」
こちらになるとだ、北原は言い切った。
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