八条学園騒動記
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第五百二十四話 先生のお見合いその十一
「どうにもなので」
「そういう人は多いですね」
「日本人以外では」
「逆に日本人の方が」
むしろというのだ。
「独特ですね」
「連合の中でも」
「あそこまで生ものが好きな国もないですね」
「淡水魚も養殖するか冷凍をして」
そうして寄生虫の心配をなくしてだ、この時代では日本人はピラルクを刺身にして食べたりもしている。
「食べていますし」
「淡水魚も」
教頭はこちらにもどうかと言った。
「実はといいますか」
「かなり、ですよね」
「危険です」
「寄生虫の関係で」
「ですが日本人もわかっていて」
淡水魚に寄生虫が多いことをだ。
「それで、です」
「養殖をしたりして、ですね」
「虫のいない場所で確かな餌を与えれば」
淡水魚でもなのだ、このことは鯉等も同じだ。
「それで、です」
「寄生虫の心配はなくなりますね」
「天然ものは危険です」
淡水魚はどうしてもそうなる。
「ですが養殖をしたりしっかり冷凍をすれば」
「冷凍で寄生虫を殺しますね」
「そうすればです」
それでというのだ。
「寄生虫はいなくなります」
「左様ですね」
「それでそうしたことをして」
「寄生虫の心配をなくして」
「そして食べています」
日本ではというのだ。
「淡水魚も」
「左様ですね」
「そうしたものを見ますと」
「日本人は本当に生ものが好きですね」
「豚肉もそうして食べますからね」
教頭はここでは苦笑いになって話した。
「あれは流石に」
「教頭先生としては」
「豚腹煮込みや鍋や豚カツならです」
「アッラーに謝罪してですね」
「食べられますが」
「流石にですね」
「豚肉の刺身はないです、アッラーが許されても」
例えそうあってもというのだ。
「流石にです」
「豚肉のお刺身はないですか」
「とても」
教頭はマリアにそうした話をした、そしてだった。マリアはお見合いのことを考えていった。それは彼女にとって大きな運命の転換のはじまりだった。
先生のお見合い 完
2019・5・16
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