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八条学園騒動記

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第五百二十四話 先生のお見合いその十

「ピンとこないです」
「左様ですか」
「むしろ日本人は生肉もお刺身にするのかと」
「驚かれていますか」
「はい、他にも食べる国はありますが」
 生肉をというのだ。
「ケベックにはなかったので」
「インドネシアでも私の故郷では」
 教頭もマリアに話した。
「お寿司は人気があって」
「お刺身もですね」
「食べますが」
 それでもというのだ。
「生肉となりますと」
「食べられないですか」
「馬刺しもです」
 これもというのだ。
「食べないです」
「むしろ日本人のそうした食生活にですか」
「私も来日前に話は聞いていました」
 教頭は大学卒業までは故郷にいた、だがその大学が八条グループと関係が深く就職先は八女学園になったのだ。
「ですが実際に見て」
「本当にあるのかとなりましたか」
「はい、そして口にしようとは」
 それはというのだ。
「ありませんでした」
「生肉はあたりそうですからね」
「火を通すものでしょう」
 そうして食べるものだというのだ。
「やはり」
「多くの国ではそうですね」
「確かに食べることは食べますか」
「日本の様に常にとは」
「そうした国はそうはないです」
 こう言うのだった。
「とても」
「私もそう思います」
「ですが日本人の間では」
「馬刺しもですね」
「人気がありまして」
 それでというのだ。
「居酒屋でもよく食べられていますね」
「定番の一つですね」
「結構ポピュラーであるというのが」
「日本独特の」
「日本の強烈な個性の一つですね」
「日本はあらゆる面で個性的ですが」
 それでもというのだ。
「食文化もそうで」
「生肉をお刺身にすることも」
「他の国になく」
「面白いことではあっても」
「独特ですね」
「そして独特なものが」
 これがというのだ。
「残念なことに」
「そういうことで」
 二人で話すのだった。
 そして教頭はマリアにあらためて言った。
「このことについては」
「わかりました」
 こう返事をするのだった。
「その人は、ですね」
「お肉は生では食べません」
「それは私もなので」
「問題ないですね」
「そういうことで。むしろ」
「日本のですね」
「その食文化が」
 マリアにしてもというのだ。 
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