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八条学園騒動記

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第五百二十四話 先生のお見合いその七

「宜しければ」
「そちらにですね」
「行って下ささい、そして」
「お話もですね」
「されて下さい」
「それでは」
「あとです」
 教頭先生はさらに話した。
「先生はカレーはお好きですか?」
「カレーですか」
「はい、カレーライスは」
「大好きですがそれが何か」 
 お見合いと関係あるのかと思ってだ、マリアは教頭に聞き返した。
「ありますか?」
「実は彼がカレーが好きで」
「そうなんですね」
「大好物でして」
 それでというのだ。
「先生もそうならです」
「いいですか」
「共通する好物があれば」
「暮らしやすいのですね」
「ですから」
「カレーのことをですか」
「聞きました、では」
「はい、カレーはですね」
「食べて下さい」
 こうも言うのだった。
「そうされて下さい」
「わかりました」
「今日もよかったら」
「カレーをですね」
「召し上がって下さい」
 教頭はマリアにこうも言った。
「そうされて下さい」
「そうですね、実は今日のお昼は」
「先生もですか」
「カレーをと考えていました」
 それを食べようと、というのだ。
「カレーの食堂に行って」
「あちらにですね」
「そうしようと思っていました」
「あの食堂のカレーはいいですね」
 教頭はその食堂、カレーライス専門のカレーの味について笑顔で話した。
「甘口も辛口も」
「そうですよね」
「私はマトンカレーが好きでして」
 羊肉のカレーがというのだ。
「よく食べています」
「マトンカレーですか」
「はい、あれが好きで」
「そうですか、私はシーフードカレーが好きですが」
 マリアは自分のカレーの話もした。
「教頭先生はマトンカレーですか」
「あのカレーが一番好きですね」
「あの食堂のカレーでは」
「そうですか」
「色々食べてきましたが」
 その食堂のカレーをというのだ。
「私としてはです」
「マトンカレーですね」
「それも辛口です」
「辛口ですか」
「そうです、実は私はインドネシア出身で」
「あの国ですと」
「ムスリムが多いですね」
 教頭は信仰の話からした。
「そうですね」
「そうですね、では教頭先生も」
「信仰はイスラムでして」
 この宗教を信仰していてというのだ。
「それで、です」
「羊の肉がお好きで」
「マトンも好きで」
「カレーもですか」
「はい、親しんでいるマトンがです」
 この肉を使ったカレーがというのだ。 
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