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八条学園騒動記

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第五百二十四話 先生のお見合いその六

「間違っても悪い人と結婚したら駄目よ」
「それはなのね」
「悪夫、悪妻はね」
「相手の人を駄目にする」
「そうなるから」
 だからだというのだ。
「絶対にね」
「いい人と、っていうのね」
「結婚しなさい」
「その見極めが大事なのね」
「屑って言われる様な人と結婚したら」
 それこそというのだ。
「不幸になるから」
「それはそうよね」
「悪い人とは一緒にいない」
「それに尽きるわね」
「そうよ、くれぐれもね」
 母は娘に強い声で言った。
「そこは守ってね」
「お見合い、そして結婚するなら」
「お見合いは見極めで」
 相手の人間性をというのだ。
「それでなのよ」
「いい人と結婚しなさいってことね」
「まずお顔はね」
「二の次よね」
「そう、内面が大事だから」
「幾らお顔がよくても」
「悪人は問題外だから」
 また娘に言うのだった。
「くれぐれもね」
「悪い人には注意して」
「そしてね」
 そのうえでというのだ。
「お見合いをしてきてね」
「わかったわ」
 マリアは母の言葉に頷いた、そうして電話でのやり取りを終えてこの日の夜は寝るまでお見合いのことを考えた。お見合いがどうなるかを。
 そして次の日教頭先生に職員室で自分から言った。
「昨日のお話ですが」
「お見合いのことですね」
「はい、返事をさせて頂きたいですが」
「どうでしょうか」
「受けさせて欲しいのですが」
 こう答えるのだった。
「宜しいでしょうか」
「そうしてくれますか」
「はい」
 笑顔でだ、マリアは教頭先生に答えた。
「是非」
「有り難うございます」
 教頭はマリアに笑顔で応えた。
「それではです」
「はい、お見合いをですね」
「こちらで日と場所を決めますので」
「決まってからですね」
「またお話させてもらいます」
 こうマリアに言うのだった。
「その時まで待っていて下さい」
「それでは」
「それとです」
 教頭先生はマリアにさらに話した。
「事前に博物館に行かれて」
「相手の方とですね」
「お話をされることもです」
 そうしたこともというのだ。
「いいと思いますので」
「だからですね」
「はい、よかったら」
「博物館に行って」
「お見合いの前ですが」
 会える場所だからだというのだ、相手がマリアが働いている八条学園の中にある博物館に勤務しているからだ。 
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