夢幻水滸伝
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第百一話 超大国の者達その五
「出来るだけ無傷でや」
「手に入れることですね」
「南北戦争、特に海への進軍やな」
メルヴィルは苦い顔になり自分達の歴史のことから話した。
「あんなことしたらな」
「アウトですね」
フォークナーが述べた。
「まさに」
「そや、もう何から何まで破壊したらな」
「勝利の為に仕方なくする場合はあろうとも」
「それはしてもや」
それでもというのだ。
「得られるもんはないやろ」
「はい、確かに」
フォークナーはメルヴィルのその言葉に頷いた。
「その通りですね」
「南北戦争は痛い内戦やった」
アメリカにとってだ、再び一つになったがそれでもアメリカが受けた傷は決して小さなものではなかったのだ。
「ああした戦をするとな」
「ほんまにアウトですね」
フォークナーはまた言った。
「そうなったら」
「そやからな」
それでというのだ。
「それは出来るだけ避ける」
「その為にも、ですね」
ルイスはその美麗な銀色の目を鋭くさせて述べた。
「我々は生臭くとも」
「ちゃんと外交をしていくんや」
「相手の思惑を見抜いて」
「そうや、そうしてこそな」
まさにというのだ。
「国益が得られて犠牲になる人や国土もや」
「最低限となりますね」
「そうなるからな」
それだけにというのだ。
「ここは頑張ってくで」
「わかりました」
「けれど戦が終わって統一されれば」
ガーランドは陽気に笑ってその時のことを話した。
「おらっち達は仲良く出来ますね」
「はい、好人物ばかりですので」
ボームはガーランドに端正な声で答えた、見ればそのポーズも何処か格好をつけたもので意識しているのがわかる。
「仲良くやっていけますね」
「それがええことですね」
「ほんまに」
ふと関西弁も漏らすボームだった。
「ええ感じでいけそうですわ」
「それがええことですね」
「まことに」
「戦の後は友となる」
ヘミングウェーも言うことだった。
「ええことです」
「そやな、ただ」
ここでまた言うトウェインだった。
「それはあくまでこっちの話でな」
「それが、ですね」
「ロシアとインドの枢軸はな」
「そうはいかないですか」
「何かこっちの世界では」
どうにもというのだ。
「仲間になれる気がせんわ」
「ですが」
ダークエルフの女が言ってきた、見事なロングの銀髪と緑の瞳が褐色の肌に映えている。着ている服は黒タイツに動きやすい黒い上着と白の半ズボンと黒ブーツだ。地伏星
エミリー=スノーだ、アメリカペンシルバニア州出身で持っている神具は職業のアサシンに相応しい暗殺用の武器フラガラッハと見た者を石に変えるメデューサの首である。
「やがてはですね」
「どっちが勝ってもなるし、それにな」
「起きた世界ではですね」
「タゴールはもの静かな紳士でな」
トウェインはまずは雷帝のことから話した。
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