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夢幻水滸伝

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第百一話 超大国の者達その一

               第百一話  超大国の者達
 アメリカはこの世界でも第一の勢力とされている、人口こそ第三位と中国やインドに劣るがそれでもだ。
 技術と資源そして穀倉地帯と工業地帯を持ち商業も栄えている。
 その超大国の星の者達も全員来日して平城京に入っていた、そのうえで北原の案内を受けて今は春日大社にいるが。
 メルヴィルは赤い大社の中でこんなことを言った。
「ここがあの鹿共の本拠地やな」
「そや、あの鹿共はここの神様の使いや」 
 トウェインがメルヴィルに答えた。
「それはもう知ってたやろ」
「ああ、それでここは藤原氏の社か」
「この世界では中臣鎌足さんとかが祀られてるわ」
 トウェインはメルヴィルにこのことも話した。
「そうなってるわ」
「そうやったな」
「それでな」
「それで?」
「ここは大和でもかなり格の高い神社や」
「そやから大社か」
「そや、それは観てわかるやろ」
 トウェインもまた赤い社の中を見回しつつ話した。
「どれだけの格かは」
「わしはプロテスタントやが」
 メルヴィルは自分の宗派の話もした。
「ピューリタンやないから質素やないにしてもな」
「そういえばそやったな」
「それでも神道は好きでな」
 それでというのだ。
「こうして観ててもな」
「わかるな」
「ああ」
 実際にとだ、メルヴィルはトウェインに答えた。
「大体な」
「でかいしな」
「建物の質がちゃう」
「ええ木使ってるわ」
「これは檜か?」
「檜は日本で一番ええとされてる木や」
 特に宗教関係においてだ。
「そうなってるしな」
「その檜を使ってる」
「それだけのものやしな」
「格がそこに出てるか」
「そや、それで今わい等はな」
 トウェインはさらに話した。
「今そこに案内してもらってる」
「昨日は興福寺、一昨日は唐招提寺でな」
「今日はここや」
「それで夜は美味いもんやな」
「まさに厚遇や」 
 文字通りのそれだというのだ。
「ええ具合や」
「ほんまにそやな」
「しかしです」
 白衣のサイクロプスが言ってきた、黒髪を丁寧にセットしているサイクロプスの中でも大柄な男だ。天猖星ダンディ=ボームである。アメリカマサチューセッツ州出身で職業は科学者、所持している神具は万能の機械の手袋であるフィン=マックールの腕と変形する巨大ロボットウルリクルミそして抗戦を放つアルキメデスの鏡の三つだ。
「その間にもです」
「その通りです」
 黒い肌に頭の左右に羊の角がある長身の魔族の男だ。端正な顔で黒髪をオールバックにしている。天祐星ドナルド=ヘミングウェーである。アメリカワシントン州出身であり職業は神父の服を着ていることからもわかる通り宣教師、持っている神具は万能の知恵書である新約聖書に己の身を守るアルスールのマント、そして右手の中指にある解呪の指輪だ。 
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