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夢幻水滸伝

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第百話 異世界の人口その十五

「財務省や文部省の様なものをです」
「あっ、お役所やね」
「それを置いてです」
「中央の政をするんやね」
「そうしましょう、明治の頃の日本か」
 若しくはとだ、太宰はさらに話した。
「今の日本の様な」
「ああした感じにするんやね」
「そうです、人材もいますし」
「そのことも大きいからやね」
「行政の仕組みは念入りに整え」
 そしてというのだ。
「治めていきましょう、そして」
「治めてやね」
「そうしてです」
 そのうえでとだ、太宰はさらに話した。
「国力を養い」
「それが整ってやね」
「その国力と我々の力で、です」
「世界を統一して」
「それからさらにです」
「世界を救うことになるね」
「そうなります」
 こう綾乃に話すのだった。
「まだ残念ながら世界の危機はわかっていませんが」
「それがほんま気になるね」
「ですが」
「世界を統一してな」
「世界と我々の力を一つにしなければ」
「世界を救うなんて出来んわ」
「ですから」
 それ故にとだ、太宰は綾乃にさらに話した。
「必ずです」
「手順を進めていくんやね」
「徐々にでもです」
「一歩一歩確実にやね」
「そうです、そのうえで」
「ことを進めていくことになるんやね」
「我等全員で、そしてです」
 棟梁の席に座る綾乃、自分の前にいる彼女に対してだ。太宰は畏まった礼儀正しい態度でこうも話した。
「その中心にです」
「うちがおるん?」
「そうです、この度の統一の為の戦では」
 太平洋そしてサハラ砂漠以南のアフリカのそれにというのだ。
「我が日本が勝ちますが」
「その後でやね」
「そうです、各勢力が一つになりますが」
「棟梁はうちやねんね」
「そうなって頂きます、丁度です」
 太宰は綾乃にこうも話した。
「棟梁は姫巫女様であられ星はです」
「三極星の一人やからやね」
「まさにそうあるべき方です」
 統一された勢力の棟梁に相応しいというのだ。
「事実枢軸ではそうですね」
「そやね、二人共うちと同じ三極星の子達や」
「女帝と雷帝は」
「そうですから」
 それでというのだ。
「棟梁にです」
「日本の棟梁からやね」
「統一された勢力の棟梁になって頂きます」
「凄いことになるね」
 綾乃はここまで聞いてしみじみとした口調になって述べた。
「ほんまに」
「そうですね、ですが」
「それもやね」
「この世界を統一し救う前の段階のことです」
 綾乃から見れば九十五億の民と広大な国土の上に立ちそのうえで治めることですら、というのである。
「まだ」
「そやねんね」
「ですから」
「このことで驚いてたらあかんのやね」
「左様です、では」
「そやね、そのことに踊ろう足り満足せんと」
「そうしてことを進めていって下さい」
「そうさせてもらうわ」
 綾乃は太宰ににこりと笑って話した、そうしてこれからのことに向かうことを平城京においても誓うのだった。


第百話   完


                  2019・2・1 
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