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八条学園騒動記

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第五百二十四話 先生のお見合いその五

「いいな」
「それじゃあね」
「そういうことでな、後な」
「後?」
「お前は母さん似だからな」
 このことは昔から言われていることだ、それも周りの者の多くから。
「子供が出来るとなるとな」
「そうなると、っていうのね」
「ああ、それこそな」
 まさにというのだ。
「次から次にな」
「生まれるのね」
「そうなるからな」
 つまり多産の家系だというのだ、マリアの母方は。
「安心しろよ」
「子供のことは」
「頑張って何人でも生んでな」
 そうしてというのだ、連合はとかく多産がいいとされている、また不妊治療もかなり進歩している。
「幸せな家庭を築けよ」
「そうするわね」
「じゃあ母さんに代わるからな」 
 正確に言えば元に戻るだった、こう言ってだった。
 また母が出て来た、それでマリアに言うのだった。
「そういうことでね」
「二人共なのね」
「お見合い賛成だから」 
 娘に笑顔で言うのだった。
「だからね」
「それでよね」
「そう、そしてね」
 そのうえでというのだ。
「何度も言うけれどいい人ならよ」
「結婚ね」
「そう、早いと高校生で結婚する人もいるでしょ」
 連合では男女供に十六歳から結婚出来る、このことは中央政府の法律で定められていて各国政府も同じだ。ただし国によっては十三歳から結婚出来る国も存在している。
「そうでしょ」
「そんな人は流石に」
「稀だけれどね」
「ええ、最低でもね」
「高校を卒業してね」
 連合の義務教育終了までというのだ。
「それからよね」
「それが普通だけれど」
「けれど法律ではでしょ」
「出来るけれどね」
「それで結婚して」
 そうしてというのだ。
「実際にでしょ」
「子供いる人もいるけれどね」
 それで高校に通いながら子供を育てるのだ。
「中には」
「男の人でも女の人でも」
「そうだけれど」 
 それでもというのだった。
「例外でしょ」
「普通はあんたみたいにね」
「大体二十六位で」
「それ位の年齢でね」
「結婚よね」
「お母さんは二十三だったけれど」
 この年齢で結婚したというのだ。
「あんたもそろそろだから」
「お見合いは時期的にもいいのね」
「そう、年齢的にもね」
「いいから」
「結婚してね」
「わかったわ」
「あくまでいい人ならだけれど」
 母はこのことは念押しをした。 
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