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八条学園騒動記

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第五百二十四話 先生のお見合いその三

「別に」
「じっくりとですね」
「お考えになって下さい」
「両親と相談しても宜しいでしょうか」
「ケベックにいる二人にというのだ。
「そうしても」
「はい」
 教頭はマリアに笑顔で答えた。
「先生もよくです」
「考えてですね」
「結論を出されて」
 そしてというのだ。
「私にお返事を下さい」
「それでは」
「そのうえで」
「お見合いをですね」
「されて下さい」
 是非にと言ってだ、そしてだった。
 マリアはお見合いについて考えることになった、マリアはこの日家に帰ると自分のスマートフォンでだった。
 ケベックの実家の両親、母親の電話番号に電話をかけた。すると母親は自分の娘に対してすぐに言った。
「いいじゃない」
「お見合いのお話が来て?」
「ええ、受けたら?」
 これが母の返事だった。
「そうしたら?」
「受けていいのね」
「お母さんはそう思うわ」
 こう娘に言うのだった。
「あんたも実際ね」
「いい歳だっていうのね」
「二十六歳でしょ」
「ええ」
 その通りだとだ、マリアは自分の母親に答えた。
「今年でね」
「もういい歳だから」
 母もこう言った。
「だからね」
「ここは、なのね」
「お見合いして」
「相手の人がよかったら」
「もうそれでね」
「結婚すればいいっていうのね」
「結婚したら違うから」
 何といってもというのだ。
「本当にね」
「そのこと教頭先生も仰ってたけれど」
「実際にそうだし。子供もね」
「多ければっていうのよね」
「多いだけいいから」
 だからだというのだ。
「あんたもね」
「そろそろ結婚して」
「子供沢山産んで」
 そうしてというのだ。
「幸せになりなさい」
「そう言うのね」
「そうよ、結婚したら」
「幸せになれるの」
「その相手がいい人なら」
 その場合はというのだ。
「そうなれるから」
「今以上に幸せに」
「そうよ、だからね」
「実際にお見合いしてみて」
「いい人ならね」
「結婚してみればいいのね」
「お母さんはそう言うのね、じゃあ」
 それならとだ、ここでマリアはこうも言った。 
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