八条荘はヒロインが多くてカオス過ぎる
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第二百三十五話 読書部の中でその十三
「だからね」
「幕末とか明治は」
「そこから見ても面白いから」
「読書部の活動でも」
「いいと思うよ」
こうチェチーリアさんに話した。
「それもね」
「そうね、確かにね」
「龍馬さんの高知弁ってキャラ立ててるよね」
「あの人をね」
「西郷さんの鹿児島弁も」
「逆にね」
チェチーリアさんも言ってきた。
「その人達が標準語だと」
「何か違うよね」
「大久保さんも」
大久保利通さんもだ、この人にしても。
「あの人も鹿児島弁じゃないと」
「西郷さんの幼馴染みだからね」
そうした意味でも絆が深かった、最後は征韓論を巡って対立してしまうけれど二人の絆は二人がそれぞれ非業の死を遂げるまで存在していたとのことだ。
「だからね」
「鹿児島弁よね」
「うん、あの人も創作の世界では」
「鹿児島弁よね」
「そうじゃない大久保さんも」
西郷さんと同じくだ。
「違う感じがするね」
「大久保さんじゃないわよね」
「どうしてもね」
「そう思うと」
本当にだ。
「方言は大事だよ」
「幕末でも」
「これ幕末や明治じゃないけれど大阪もだし」
「大阪弁じゃないと」
「織田作之助の作品は何か違うし」
出ない作品もあるけれどこの人の作品も大阪弁あってだと思う。
「吉本なんかね」
「ああ、あそこはね」
「特にだよね」
「そうよね、吉本なんてね」
「関西弁じゃないと」
「違うわよね」
「東京の方の事務所は置いておいて」
吉本は大阪に本社があって東京にも事務所がある、だからタレントさんの多くの活動拠点が大阪にあるのだ。お家もだ。
「やっぱりね」
「吉本は関西弁ね」
「関西弁じゃない吉本は」
それこそだ。
「何か違うね」
「そうよね、本当に」
「だから方言はね」
「大事ってことね」
「うん、何かとね」
こうチェチーリアさんに話した、そのうえで僕は今はチェチーリアさんと別れて他の場所に向かった。だがここでチェチーリアさんに相手が出来たことにふと思った。彼女も大きな出会いがあってそれが実っていると思いながら。
第二百三十五話 完
2019・5・8
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