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八条荘はヒロインが多くてカオス過ぎる

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第二百三十六話 女子サッカー部の屋台でその一

               第二百三十六話  女子サッカー部の屋台で
 文化祭では各部が活動している、これは文化祭の主役である文化系の部活だけでなく体育会系の部活もだ。こうした部活は主に屋台をやっている。
 学園の中庭に出るとそうした屋台が並んでいる、野球部もラグビー部も柔道部も剣道部もそれぞれお好み焼きや焼きそばやフランクフルトを出している。
 僕はその中でクレープ、好きなそれはないかと思って探した。丁度女子バレーボール部がやっているのを見て今からと思ったら。
 その横の女子サッカー部の部室の屋台からだ、ニキータさんが言ってきた。
「義和、ケバブ食べる?」
「あれっ、今はそっちにいるんだ」
「うん、当番でね」
 ニキータさんは僕に笑顔で答えた。
「それでね」
「屋台にいるんだ」
「それでケバブ焼いて」
 そしてというのだ。
「そのうえでね」
「売ってるんだ」
「ケバブいいよ」
 ニキータさんはこうも言った。
「安くて美味しくてすぐ出来るから」
「だからなんだ」
「うちの部活はこれにしたの」
「安いのが一番大きい?」
「美味しくてね」
 この要素もというのだ。
「だからね」
「女子サッカー部はケバブで」
「義和もどう?」
 僕にあらためて言ってきた。
「百円よ」
「安いね、本当に」
「だから羊のお肉だから」
「安いんだね」
「ニュージーランド産のね」
「ああ、あそこね」
「ジョーンのお国ね」
 ニキータさんは笑ってこうも言った。
「あそこのをね」
「買ってなんだ」
「しかも先輩が仕入れるいいお店知ってて」
「そこで買ったんだ」
「冷凍のマトンを山みたいに買って」
「確かにね、この匂いはね」
 ケバブのその匂いを嗅いでだ、僕はニキータさんに答えた。
「マトンだね」
「わかるわよね」
「うん、マトンの匂いは独特だからね」
「わかりやすいわよね」
「美味しそうな匂いだね」
「じゃあね」
「百円だね」
 ニキータさんに値段を確認した。
「それだね」
「ええ、百円よ」
 実に学生の文化祭らしい値段だった。
「何しろ元手が安いから」
「マトン自体安いしね」
「そのマトンをいいお店でどかっと買ってるから」
「それでだね、そのお店って」
 僕も察しがついてニキータさんに言った。
「あれだよね、業者さん用の」
「あっ、わかる?」
「うん、そうしたスーパーみたいなお店もあるしね」
「そこで買ってね」
 そしてというのだ。 
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