八条荘はヒロインが多くてカオス過ぎる
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第二百三十四話 結核でその十五
「それだけ死んだこともあるし」
「火事でそれだけ死ぬって凄いわね」
「あそこは火事の対策も熱心だったんだ」
「そうなのね。しかし地震に火事って」
「台風もね」
「日本は災害の巣ね」
「否定出来ないね」
実際のところだ。
「そのことは」
「そうよね、僕が聞いてもね」
「そんな風だから」
「戦争よりもね」
「災害の方がよね」
「そう、それがね」
どうにもと言うのだった。
「怖いんだ」
「それが日本なのね」
「戦争は確かにあったけれど」
日本の歴史の中でだ。
「戦国時代もその幕末も」
「結構あるわよね」
「第二次世界大戦だってね」
「確かに結構あるわね」
「それでもね」
戦争があることは事実でもだ。
「それでもね」
「災害の方がずっと怖いのね」
「日本ではね」
「それがわかったわ」
「幕末の騒乱でも三万の人が死んだけれど」
維新まででだ。
「これがね」
「江戸時代の江戸の火事よりずっと少ないね」
「そうだからね」
現実としてだ。
「日本では災害の方がずっと怖いんだ」
「現実としてそうなのね」
「うん、水戸藩もそれで不幸がはじまったし」
そう思うとだ。
「何よりも怖いのは災害かもね」
「そうも考えられるわね」
「本当にね」
僕はチェチーリアさんにどうにもと話した、そしてそのうえでだった。僕はチェチーリアさんにさらに話した。
第二百三十四話 完
2019・5・1
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