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夢幻水滸伝

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第九十九話 中原の者達その十二

「出来ることならそうしたくなかっただがや」
「それでもですね」
「その様な輩ならですか」
「見捨てるしかなかったですか」
「いじめ、カツアゲ、万引き、窃盗、何でもする連中をいい人とかまともとか平気で言っていただがや」
 そうした者だったとだ、坂口はまたしても忌々し気に話した。
「そしてだがや」
「それはまた」
「これ以上はないまでに愚かですね」
「白痴と言うべきですね」
「そこまでいきますと」
「だから中卒無職になってだがや」
 俗に社会の最底辺と言われる立場であろうか。
「家を出てゴロツキ供の使いパシリやってるだがや」
「果ては切り捨てられますね」
「未来は見えています」
「利用されるだけ利用されて」
「それでポイです」
「後は破滅だけです」
「わしもそう確信しているだがや」
 その輩の末路はというのだ。
「利用されて切り捨てられたことに気付かないでだがや」
「そのことすらですね」
「全く気付かず」
「そして、ですね」
「挙句にリアルでどえらいことをやらかしてだがや」
 そのうえでというのだ。
「破滅だがや」
「そうなりますね」
「どう考えても」
「そこまで愚かですと」
「そうなるしかないですね」
「そうした奴も観ただがや」
 その人生の中でというのだ。
「嫌な思い出だがや」
「しかしそこまで愚かな輩に会うことも」
 緑麗がここで話した。
「それも人生の勉強では」
「そうも思っているだがや」
「やはりそうですか」
「出来るんなら人を見捨てることはだがや」
「されないですね」
「したくないだがや」
 実際にとだ、坂口は述べた。
「絶対に」
「それはそうですね」
「何といっても」
「人を見捨てることは」
「やはり忌むべきことです」
「自分がそうされるとだがや」
 そう考えてだ、坂口は中国の人の星の者達に話した。
「嫌だがや」
「若しですよ」
 莫も必死の顔で話した。
「わたくしが棟梁達にそうされたら」
「そう思うだけで、だぎゃな」
「恐ろしいものがあります、頼りにしていますし」
「そうだぎゃな」
「そうした方々ではないですが」
 人を利用するだけ利用してそのうえで切り捨てる、そうしたことをする様な者達ではないというのだ。
「羅さんも施さんも」
「わしもそう思うだがや」
「星の人達にそうした人はいませんが」
「しかし世の中善人ばかりでないだがや」
「そうしたことをする悪人もいますし」
「そしてだがや」
「見捨てるしかない様な人もですね」
「いるだがや」
 どうにもならないまでに愚かで、というのだ。 
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