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八条荘はヒロインが多くてカオス過ぎる

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第二百三十四話 結核でその十二

「生き残った人少なくない?」
「ああ、それはね」
「実際少ないわよね」
「坂本龍馬さんとかね」
「死んでいて」
「武市半平太さんもそうで」
 この人は切腹して死んでいる。
「大物が死んでいてね」
「それでよね」
「うん、その下にいる人も沢山死んでいて」
 それでだ。
「生き残った人はね」
「薩摩や長州と比べても」
「少ないんだ」
「そうよね」
「生き残った人は」
 土佐藩の中でだ。
「まあいるけれどね」
「後藤象二郎さんとか」
「板垣退助さんとかね」
 そしてだ。
「あと岩崎弥太郎さん」
「三菱の」
「この人は生き残ってるよ」
「そうよね」
「けれど確かにね」
 薩摩や長州と比べるとだ。
「少ないね」
「そうなってるわね」
「水戸藩みたいにはならなかったけれど」
「水戸藩は」
「そう、内輪揉めばかりで」
 黒船から維新までずっとだった、この藩は。
「もう誰もね」
「残らなかったのね」
「内輪で殺し合って」
 最悪の状況だった、まさに。
「それでね」
「最後の一人までだったのね」
「そんな感じでね」
「人がいなくなったのね」
「そうだったんだ、安政の大獄とか天狗党とかあって」
 優秀な人材はいたけれどだ。
「殺し合いが過ぎて」
「誰もいなくなったの」
「それで維新にもね」
「人を送れなかったのね」
「そうだったんだ、幕末の火付け役だったのに」
 その立場であり本来は維新も主導出来たのにだ。
「残った人がいなくて」
「何も出来なかったの」
「あの芹沢鴨さんも」
 新選組初代局長と言っていいこの人もだ、当時は浪士隊という名前だったにしても組織としては同じだ。
「水戸藩の人でね」
「そういえばそうだったね」
「それで死罪になりそうだったから」
「そうだったわね」
「恩赦で出て」
 死罪寸前で辞世の句も詠んでいる。
「それで水戸藩を出ていたから」
「そんなこともあったのね」
「そうした人もいて」
 それでだ、
「最後にはね」
「誰もいなくなったのね」
「優秀な人材も多かったんだ」
 藤田東湖の様な人もいた。
「けれど安政の大地震からつまづいたんだ」
「地震?」
「日本は地震が多いよね」
「しょっちゅう起こってるわよね」
 チェチーリアさんもそれならと答えた。
「ニュースで流れるわね」
「地震大国でもあるからね」
 正直そんなことで大国になりたくない。 
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