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夢幻水滸伝

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第九十九話 中原の者達その二

「そうですね」
「そうだがや、偉大な人だがや」
「農民から天下を統一した」
「織田信長さんの次の名古屋の誇りだぎゃ」
「確か徳川家康さんもでは」
 王はこの人物の名をも挙げた。
「確か」
「ああ、愛知県では同じだぎゃが」
「地域が違いますか」
「信長さんと秀吉さんは尾張だぎゃ」
 坂口は今度は今自分達がいる世界の地名で話した。
「けれど家康さんは三河だぎゃ」
「尾張と三河で違う国なので」
「だから家康さんは少し違うだがや」
 そうなるというのだ。
「ここは覚えておいて欲しいだぎゃ」
「そういうことですか」
「そうだがや、それでわしは今おみゃあさん達にこうして正倉院を案内しているだぎゃが」
 それでもとだ、彼等に言うのだった。
「正直よくわかっている説明なら有り難いぎゃ」
「本当にわかりやすいですよ」
 莫はまたこう述べた。
「面白いですし」
「ならいいだぎゃがな」
「はい、ただ名古屋愛はよくわかりました」
「それは隠していないだぎゃ」
「左様ですね」
「まあ今度名古屋に行く機会があったら」
 その時はとだ、坂口は中国の人の星の者達に話した。
「わしに言うだがや」
「案内をしてくれますか」
「そしてだぎゃ」
「美味しいものもですね」
「そうだがや」
 こちらもというのだ。
「安心してだがや」
「それでは」
「名古屋とえば」
 バーバリアンでラフな中国の紅のクンフー着を着た女だ、大柄で背は一九〇あるが顔立ちは整い黒髪は後ろで束ねている。
 人狂星簫紅美である、中国湖北省出身で職業は義賊神具は放りきも兼ね備えている青雲剣である。
「名古屋城ですね」
「そして熱田神宮だがや」
「その二つが有名ですね」
「この世界にもあるだがや」
 この二つの場所はというのだ。
「そしてあっちの世界では名古屋ドームとテレビ塔もあるだがや」
「急に現代を入れられますね」
「この二つも外せなだがや」
 だから言ったというのだ。
「今ドラゴンズは調子悪くてもだがや」
「そのことも言われますか」
「言わずにはいられないがだや」
「名古屋の人としては」
「そうだがや」 
 どうにもという口調でだ、坂口は紅美にも話した。
「どうにも悲しいだがや」
「中日は昔強かったと聞きますか」
 動きやすい中華風のズボンに質素な上着は清代の農民のものだ、ゴブリンであり背は小さい。人明星屈陽順である。中国遼寧省出身で職業はシーフ流れを汲む職業の中でも特に鍵や罠の解除に長けている鍵師である。持っている神具はあらゆる技術を伝えてくれる書墨子だ。
「今は、ですか」
「ちょっとフロントがしくじってだがや」
「名監督を退任させてですね」
「あと色々あってだがや」
 それでというのだ。
「今はああだがや」
「そうですか」
「ずっとAクラスになってないだがや」
「だから今は、ですか」
「困っているだがや」
 名古屋人もっと言えば中日ファンとしてだ。
「まことに」
「ううむ、チームは一旦弱くなりますと」
 どうにもとだ、屈も述べた。 
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