夢幻水滸伝
しおりを利用するにはログインしてください。会員登録がまだの場合はこちらから。
ページ下へ移動
第九十八話 中国の星達その八
「性格悪い奴はな」
「それだけで、ですね」
「自然と嫌われるやろ、自分に言うてた底意地悪い奴も嫌われてたやろ」
「学校でそれで有名でした」
「自分が山東にいた時のことやな」
「はい、まだ十歳の頃のことですが」
その頃の話だというのだ。
「随分とです」
「嫌われてたか」
「十五になった時は周りに誰もいませんでいsた」
「ほんまに徹底してやってんな」
「今思うとかなり嫌われていましたね」
「そんな奴とはな」
「最初から付き合わない」
「そや、それでそいつが言うこともな」
そうした底意地の悪さが故に嫌われている者のそれはというのだ。
「一切気にせん」
「それがええですね」
「そういうことや、それで今はな」
「今は、ですね」
「ここの色々なもの観ような」
正倉院にあるそれをというのだ。
「そうりよな」
「それでは」
「色々いいものあるな」
呉は卓を観て言った。
「この何でもない卓もな」
「これがやね」
花華が呉のその言葉に応えた。
「こっちの世界でも日本の国宝やね」
「そやな。言われてみるとな」
「こうしたものもな」
「ええわ」
「ほまにな」
まさにとだ、呉は花華の言葉に頷いてその卓をさらに観た。そうして今度はこんなことを言ったのだった。
「これは我が国やと唐代のやな」
「その初期位やな」
残も言った。
「大体」
「太宗とかその頃か」
「いや、高宗の頃ちゃう?」
「その辺りか」
「結構以上に昔やで」
「その頃のもんがここまでよおさん残ってるのがあっちの世界の日本で」
それでとだ、呉はさらに言った。
「こっちの世界でもあるねんな」
「神様が使ってたもんで」
「こっちの世界での日本の天皇は神々やったな」
残が言ってきた。
「そやったな」
「こういったものは聖武天皇とか光明皇后が使ってたもんやが」
「この人達も神様やな」
「そうなってるんやな」
こう二人で話した。
「こっちの世界では」
「そやな」
「中国やと英雄や豪傑が神様になっとる」
ここで羅がこのことを話した。
「そのことと一緒やな」
「太宗もそうですし」
「唐のな」
羅は呉の今の言葉にはこう訂正を入れた。
「太宗言うても何人もおるやろ」
「我が国ではそうですね」
「唐の太宗もそうやが」
西遊記にも出て来るこの皇帝だけでないというのだ、名を李世民という。
「宋も清もやしな」
「そして漢もでしたね」
「何人かおるからな」
「正確に言うと唐の太宗ですね」
「そや、それでや」
だからだというのだ。
ページ上へ戻る