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夢幻水滸伝

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第九十八話 中国の星達その九

「そこはしっかり言う方がええ」
「わかりました」
「そういえば日本には太宗とかいう廟号ねえですね」
 残は羅にこのことを聞いた。
「そうですね」
「我が国とは別の系統の王朝やからな」
「そやからですか」
「そや、それでや」
「廟号とかはないですか」
「色々呼び名とかあってもな」
 それでもというのだ。
「そういうのはないわ」
「そうですか」
「それでな」 
 羅は残にさらに話した。
「日本の皇室は百二十代以上やからな」
「同じ王朝が続いてますね」
「政権は変わるが王朝は変わらん」
 これ自体はというのだ。
「少なくともうちやと三国時代の頃にはあったらしいからな」
「そこからですね」
「同じ王朝が続いてるからな」
「太宗といっても」
「一体何代目か」
「そうなりますか」
「というか廟号使ってたら足りんやろ」
 この指摘は施がした。
「そもそも」
「ああ、百二十代以上あるとな」 
 羅も施のその言葉に頷いた。
「もうな」
「廟号もですね」
「足りんやろ」
「やはりそうなりますね」
「あの皇室はちゃうからな」
「我が国の皇室とは」
「うちは易姓革命や」
 これの国だというのだ。
「それぞれの王朝がある国や」
「正倉院の頃の唐もそのうちの一つで」
「他にも色々な王朝があるけどな」
「皇帝の一族が変わりますね」
「その王朝によってな」
「そうした国と日本はですね」
「またちゃうわ、そやから日本で廟号とかはな」
 それはというのだ。
「ない筈や」
「左様ですね」
「確かに。日本で廟号は」
 まさにとだ、巴が言ってきた。
「何か違う感じですね」
「中国は中国でな」
 魯が言った。
「日本は日本か」
「そやな、しかしな」
「こっちの世界では絶対に太平洋の中に入れるで」
 羅と施は魯にこう言った。
「太平洋を統一してな」
「その時にな」
「そうするな、やっぱり」
「そや、そらそれぞれの国はそのままやが」
「太平洋自体は一つになるんや」
「国家連合っていう形になるか」
「中国はその盟主になるんや」
 この世界が統一されたその時にはというのだ。
「各国を束ねるな」
「そんな国になるんや」
「そしてや」
「その棟梁はな」
「そう、君達だよ」
 郭は羅と施に微笑みつつ述べた。 
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