八条荘はヒロインが多くてカオス過ぎる
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第三百三十三話 池田屋騒動その十一
「僕もおかしいって思うよ」
「僕もだよ」
こうニキータさんに答えた。
「正直幕末のどんな人達よりもね」
「悪人よね」
「悪人というだけでなく」
只の悪人ならまだ清々しい、そこに嫌なものが付く。
「卑しくて邪な」
「そんな連中ね」
「何か戦後ね」
あの戦争が終わってだ。
「急にそんな知識人が増えて」
「政治家もなのね」
「ジャーナリストにも学校の先生にも」
そして労働組合にもだ。
「そんな人達が増えたんだ」
「急になのね」
「共産主義が日本で合法化されたら」
それまではソ連が後ろにいるので警戒されていた、治安維持法も彼等の為の法律であったのだ。ソ連が後ろにいる人達に対しての。
「それがね」
「急におかしくなったのね」
「とんでもなく卑怯で卑劣な人達ばかりね」
「出て来たのね」
「自分だけで」
「他の人についてはなのね」
「もうどうなろうがいい」
そんな極端な利己主義でもあると思う、こうした人達が人権とか民主主義とか言っても本当に信じられない。
「そんな人達が増えたんだ」
「戦争が終わったら」
「第二次世界大戦がね」
「あの戦争ブラジルじゃあまり大事じゃないかもね」
ニキータさんはお国の話もした。
「実はね」
「ああ、そうなんだ」
「だってね」
「だって?」
「ブラジルはあまり参加してなかったから」
連合国側にいた、このことはアメリカ大陸の国の殆ど全てだった。
「それでね」
「あまり大事じゃないんだ」
「けれど日本じゃ違うわね」
「明治維新並に重要だよ」
今の日本にとっては最大の出来事だろうか。
「勝ってもそうだっただろうけれど」
「負けてなのね」
「日本は色々と変わったけれど」
「悪く変わったところもあって」
「それがね」
「そうした人達なのね」
「今もいるからね」
その勢力は相当に減退した筈なのにだ、信仰先のソ連がなくなったからもう根はない筈なのだ。このことは間違いないと僕は思う。
けれどそれでもまだいて僕はニキータさんに話した。
「それで相変わらずね」
「卑しいことしてるのね」
「しかも沢山の人を北朝鮮に送った人も」
その地獄に落ちる様な人がだ。
「まだ生きてたりするし」
「その人がまだ懲りずになのね」
「色々やってたりするし」
「冗談抜きで悪魔ね」
「それも相当外道な部類のね」
悪魔の中でもだ。
「仏教じゃ餓鬼かな」
「ああ、あの痩せてお腹だけが出てる」
「下手したら地獄の亡者よりも卑しいね」
「そんな連中ね」
「ハンガリーやチェコスロバキアで必死で戦った人達を罵って」
その大内兵衛のことだ、この輩はチェコスロバキアのプラハの春の弾圧への抗議にはノーコメントだったらしい。アメリカがやったら絶対に出てきただろうけれど。
「満州を攻めたソ連を擁護して」
「ソ連軍に相当な日本人殺されたでしょ」
「シベリアに送られてね」
女性も子供も容赦されなかった。
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