八条学園騒動記
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第五百十八話 齧歯類の話からその八
「その結果ね」
「そうなっているんだ」
「所謂無敵主人公にね」
「そうした作品は作者さんが面白くても」
楽しく書いていてもというのだ。
「読んでいるとどうかって思うね」
「そうなのよね」
「どんな難局でも簡単に乗り越えて」
その極めて高いスペックでだ。
「それで沢山のヒロインとね」
「ハーレム状態だね」
「それぞれタイプの違うヒロインだけれど」
「全部作者さんの好きなタイプで」
「その娘達にいつも囲まれていて」
「何の不自由もない」
「勝ち続けていてお金も地位も手に入っていって」
最初は何もなくとも能力で道を切り開いていき自然とそうなっていくのはこうした物語でなくとも同じだ。
「それでね」
「もう自分が欲しいものは全部ある」
「そんなお話はね」
とてもとだ、パレアナもどうかという顔で話した。
「あたしとしてもね」
「どうかだね」
「風神演義の原典は一歩間違えたら」
「そうなるんだ」
「主人公サイドが強過ぎて」
「けれど主人公側も結構人死ぬんだよね」
「だからまだこっち側が強過ぎても」
このことは事実でもというのだ。
「まだ救いがあるのよ」
「そうなんだね」
「太公望にいつも一緒にいる弟子に無敵クラスが二人いても」
「その二郎真君や哪吒だね」
「そう、哪吒は今で言うとサイボーグね」
「それだね」
「アンドロイドかも知れないけれど」
この設定は風神演義だけではなく中国の創作ではかなり多い、この哪吒太子が人気のある神であるだけにだ。
「とにかく全身宝貝みたいなもので」
「全身武器だね」
「そんな風だから」
それでというのだ。
「こっとも物凄く強いのよ」
「実際強いしね」
「西遊記じゃ引き立て役だけれど」
「あれは相手が悪いよね」
「孫悟空だからね」
釈迦如来が出ないと収められなかっただけだからだ。
「仕方ないわよ」
「強いにも程があるから」
「それは置いておいて」
「風神演義ではだね」
「最強キャラの一人で」
二郎真君つまり楊戩と並んでだ。
「出陣すればね」
「まず勝てるな」
「そこまで強いから」
「最強キャラ二人がいつもいて」
「いざとなれば無茶苦茶強い仙人がすぐに助けに来るから」
ここでパレアナはその強さをこう表現した。
「黄金聖闘士並のね」
「黄金聖闘士って」
「どれだけ強いかわかるでしょ」
「無茶苦茶強いね」
「ちなみに哪吒とかも黄金聖闘士並だから」
例えて言うと、というのだ。
「だからね」
「殷側も負けるんだね」
「そうなの、だから創作では」
原典ではなくそちらの封神演義はというのだ。
「聞仲が二郎真君や哪吒が束になっても敵わない位強かったりするのよ」
「孫悟空以上に強そうだね」
「孫悟空もそれぞれ一対一で勝ってるからね」
「それが束になってって」
「勿論他の主要キャラも挑んで」
そうしてというのだ。
「負けるのよ」
「孫悟空どころじゃないね」
「そう、そこまで強くて」
「映えるってことだね」
「やっぱり敵が強いと」
「物語も面白くなる」
「それが物語を通してのライバルキャラなら」
そうなればというのだ。
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