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八条学園騒動記

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第五百十八話 齧歯類の話からその七

「出番も多いしね」
「強敵は出番も多くないとね」
「むしろもう一人の主人公とか」
「それ位でもいいよね」
「ほら、私達が今いる日本の歴史で」
「この国の?」
「武田信玄さんと上杉謙信さんっていたじゃない」
 パレアナは今度はこうした人物達の話をした。
「日本の戦国時代に」
「戦国大名だね」
「この人達はそれぞれ強くて」
「激しく争ってね」
「互角に戦ってるから」
「創作でもだね」
「面白いのよ」
 この時代の日本でもよく創作の題材になっている、織田信長もそうだが信長の場合も彼等との対決が主な題材になっている。
「強敵がいてしかもその強敵が恰好いい」
「魅力的でね」
「まさにもう一方の主人公」
「そうじゃないとね」
「物語が面白くないのよね」
「そうなるね」
「どんなお話もね、バトルがあったら」
 それならばというのだ。
「本当にね」
「強くて格好いい敵役が必要だね」
「バトルあったらね」
「どうしてもだね」
「主役はやっぱり強くて格好いい」
 このことは絶対だというのだ。
「ヒーローはね、けれどね」
「敵役もだね」
「主役に負けない位強くて格好いい」 
 そうでないと、というのだ。
「さもないとね」
「物語は面白くなくて」
「映えないわよ、西遊記だって」
「こっち側が強くて」
「やっぱり何だかんだで敵も強いわよ」
「孫悟空と戦える位に」
「頭も使うし」
 主に策を仕掛けてくるのだ、孫悟空一行をどう陥れるかと考えて。
「それなりにあるの、あとね」
「お荷物だね」
「アレンジしてもやっぱり三蔵法師は人間だから」
 孫悟空達の邪魔をしなくてもだ。
「そこがネックだからね」
「日本の将棋で言うと王の駒だね」
「そう、弱点なのはね」
「事実だね」
 一行のそれであることは否定出来ないというのだ。
「どうしても」
「それがあるから」
「物語として面白いね」
 まさにと言うのだった。
「弱点があるから」
「弱点が全然ないとか」
「もうそんな主人公はね」
「何があってもどうせ楽に乗り越えられるって思うから」
 読んだり観ていてです。
「面白くないわね」
「そうだよね、僕もそうした作品読んだことあるけれど」
「面白くないでしょ」
「何か作者さん自身が主人公みたいで」
 ジミーは読んでいてそう感じ取ったのだ。
「それでもう無敵でモテモテで」
「それ作者さんの事故願望でしょうね」
「そうなんだね」
「実際はどうか知らないけれど」
 作者の現実、それはというのだ。
「けれどね」
「それでもだよね」
「そう、作者さんが自分の願望を入れ過ぎていて」
 創作の中にというのだ。 
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