八条荘はヒロインが多くてカオス過ぎる
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第二百三十二話 好漢は心からその五
「実際はあまりね」
「変わらないよな」
「狐も狸も穴熊もな」
「化け方も悪戯もな」
「全部一緒だよな」
「変わらないよな」
「そうなんだよね、童話とか読んでも」
勿論日本の童話だ。
「全然変わらないよね」
「狐も狸もな」
「人間化かそうとしてばれて怒られてな」
「それで平伏とかな」
「そんなのばかりだよな」
「どの生きものにしても」
狐も狸も穴熊もだ、本当に。
「全然変わらないよな」
「これといって」
「別に何処もな」
「おかしくないよな」
「そうなんだよね」
本当にこれといってだ。
「変わらないんだよね」
「そうだよな」
「逆にどう違うんだってなるよな」
「七化けとか八化けとかいっても」
「九化けでもな」
「よくあるのは子供からかおうとしたりお菓子とかくすねようとして」
勿論化けてだ。
「お侍さんやお坊さんとかに見破られて」
「それでな」
「懲らしめられるよな」
「思いきりぶん殴られたりしてな」
「そうなるのがオチだな」
「そうなるから」
日本の童話ではそうだ。
「違わないね」
「この学園でもな」
「別に変わらないな」
「その連中も話も多いけれどな」
「化かされた話もな」
「何かとあるよな」
「そうだね、それに姫路城の方に」
八条町のある神戸市から近い、同じ県内でもある。
「この辺りの妖怪の総大将いるけれど」
「ああ、泉鏡花の作品に出て来るよな」
「天守物語な」
「刑部姫だったな」
「あの人狐の妖怪だって話もあるし」
真相はわからない、泉鏡花の作品だと美貌のお姫様で狐かどうかというとどうにもそんな感じはしない。
「狐や狸もね」
「いるよな」
「普通に野生のいるしな、この学園」
「農業科とか大学の農学部の方とかにもな」
「動物園の方にもいるしな」
「動物園の狐や狸も」
彼等にしてみても噂がある、僕もそのことについて話した。
「そうみたいだしね」
「普通に狐も狸もか」
「あと穴熊もな」
「そういえば狼とか獺の話もあったな」
「そうした生きものについてもな」
「ああ、そうだったね」
僕もこのことは言われて思い出した。
「獺とかも化けたね」
「あと狼な」
「狼も化けるんだよな」
「何か婆さんに化けてたとかな」
「日本にもそんな話があったな」
「何か赤ずきんちゃんみたいなお話だけれど」
本当にあっちの童話みたいだ、狼が出るだけで。確か狼が大勢出て来て木の上に登った人を襲おうと背中に段々と登っていく話だった。それで最後にお婆さんに化けている狼が出て来て人がやっつける話だ。
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