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八条荘はヒロインが多くてカオス過ぎる

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第二百三十二話 好漢は心からその六

「あったね」
「だよな」
「今どっちの生きものも日本にいないけれどな」
「獺はいるだろ」
「いや、いないだろ」
 特に獺の話になった。
「もうな」
「いや、いるだろ」
「確か四国の方にいるんだよな」
「愛媛の方だったな」
「あそこにまだいるだろ」 
 こうした話になっていた、獺の話に。
「見たって話あるぜ」
「いや、もういないだろ」
「いるだろ」
「絶滅しただろ」
「いや、絶対にいるぞ」
 僕達は僕達で獺ここで言う獺とはニホンカワウソだけれどこれがまだいるかどうかという話になった。そんな話もしながらだった。
 僕達は働いた、そして休憩の時だった。
 僕はマルヤムさんのクラスに行くとだった。マルヤムさんは剣道着を来た子と熱心に話をしていた。見れば褐色の肌に南洋系の顔立ちで背は一七〇位だ。どうもマレーシアとかインドネシアの子かと思った。
 その話が終わるとだ、マルヤムさんは僕に気付いてこちらに来てそのうえでこんなことを言ってきた。
「実はでござる」
「ええと、さっきの剣道着の子のことかな」
「実は最近よく会うのでござる」
「そうなんだ」
「居合部の子でござる」
「ああ、居合ね」
 この学園には剣道部以外に剣術関係の部活がある、中国拳法部でも使うしフェシング部もある。そしてこの部活もあるのだ。
「あれね」
「居合も武士道でござるな」
「うん、そっちもね」
 実際にとだ、僕は答えた。
「武士道だよ」
「そうでござるな、それででござる」
「マルヤムさん最近はなんだ」
「居合にも興味があってでござる」
「入部するのかな」
「入部とまではいかないでござるが」
「顔を出したりとかなんだ」
 それならとだ、僕もわかった。
「してるんだ」
「そうでござる、そしてでござる」
「あの子ともなんだ」
「実はマレーシア人でござる」
 マルヤムさんと同じ国の人だった。
「その縁もあってでござる」
「今みたいになんだ」
「居合や剣道のことをでござる」
「聞いてるんだ」
「そして忍術のこともでござる」
 こちらについてもというのだ。
「聞いているでござる」
「そうなんだね」
「それで最近でござる」
「親しいんだ」
「何かでござる」
「何か?」
「宗教も同じでござるから」
 イスラム教だからだというのだ、もっと言えばマルヤムさんはスンニー派イスラム教の多数派とのことだ。
「だからでござる」
「仲もだね」
「よくなっているでござる」
「そうだったんだ」
「いや、何でも居合道初段で」
「初段だね」
「動きが違うでござる」
 そうだというのだ。
「正座も奇麗でござる」
「正座はね」
 この座り方はだ。 
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