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八条荘はヒロインが多くてカオス過ぎる

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第二百三十二話 好漢は心からその二

「夜行さん元々鹿児島の妖怪なのよ」
「そうなのね」
「それでね」
「夜行さんのことも知ってるのね」
「夜行さんって夜にね」
 まさにこの時にというのだ。
「決まった日に首無し馬に乗って外出てるけれど」
「出会ったらよね」
「そう、首無し馬で蹴飛ばして」 
 ここで話されている通りにというのだ。
「殺すのよ」
「やっぱりそうよね」
「だから夜行さんに出会ったら」
「その時は隠れるの」
「いや、草履というか靴を脱いで」
 そしてというのだ。
「夜行さんの横に平伏するのよ」
「隠れるんじゃなくて」
「その草履というか靴を平伏している頭の上に置いて」
「後頭部に?」
「そうするのよ」
「そうしたらいいの」
「そうなの、けれどこのお話は」
 あくまでだ、若田部さんは話した。
「鹿児島のお話で」
「この学校の夜行さんは大丈夫なの」
「そうみたいよ」
「そうだったの」
「この学園で幽霊や妖怪に出会って死んだ人いる?」
「いないわね」
 その娘もそれはわかっている返事だった。
「そういえば」
「誰一人としてね」
「だからなのね」
「夜行さんもね」
 この人もというのだ。
「特にね」
「怖くないの」
「鹿児島の話はともかくとして」
「この学校の夜行さんは」
「別にね、というかあんた昨日の夜何処行ってたのよ」
「お腹が空いたから」
 それでというのだ。
「コンビニに行って」
「それでなのね」
「お握り買いに行って」
「その帰りになの」
「夜行さん見たのよ」
「そうだったのね」
「そうだったの、お握り幸いにしてあったし」
 夜はないことが多いみたいだ、コンビニでは。
「お茶も買ってね」
「それでだったの」
「クラスに戻って食べて飲んでね」
「寝ようと思ってたのね」
「そこで見たのよ」
 そうだったというのだ。
「これがね」
「成程、そうだったのね」
「いや、本当にね」
 このことはというのだ。
「私も驚いたわ」
「というか夜行さんだけだったの、見たの」
「そうだったけれど」
「うちの学校怪談話滅茶苦茶多いのに」
「それでもちょっと歩いて全部の怪談に会うとか」
 それはというのだ。
「ちょっとね」
「ないわね」
「そうでしょ、だからね」
 それでというのだ。
「私もね」
「夜行さんを見て」
「それだけだったのよ」
「そうなのね、まあ私もね」
 ここで若田部さんも言ってきた。 
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