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八条荘はヒロインが多くてカオス過ぎる

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第二百三十二話 好漢は心からその一

               第二百三十二話  好漢は心から
 僕は自分のクラスの催しに参加していた、するとだった。
 その催しをしていると不意にクラスメイトの皆に言われた。
「平和だな」
「お客さん多いけれどな」
「俺達のクラスは結構平和だな」
「のどかに進んでるよな」
「揉めごともなくな」
「そうだね、やっぱり繁盛していて」
 それでとだ、僕も皆に応えて言った。
「揉めごとがないとね」
「いいよな」
「平和が第一だよな」
「内戦みたいな状況よりもな」
「こっちの方がずっといいよな」
「そうそう、そりゃ内戦だとね」
 そんな荒れた状況だとだ。
「笑ってもいられないから」
「バイクが校舎の中走り回ってたりな」
「窓ガラスあったら片っ端から割られたりな」
「そんな学校だと文化祭しても駄目だよな」
「平和とは無縁だからな」
「こんな気楽に話も出来ないぜ」
「そうだしね」
 僕は皆にまた話した。
「だからね」
「余計にだよな」
「平和が一番だな」
「のどかなのがな」
「お客さんもこんな風に入っていて」
「本当にこういうのが一番だよ」
 心から思うことだ。
「切った張ったじゃなくて」
「切った張ったとかな」
「冗談じゃないからな」
「こうした喫茶店しててもな」
「物騒で仕方ないぜ」
「うん、ただ僕達は穏やかだけれど」
 ここでだ、僕はふと女の子の方を見た。すると女の子達は随分剣呑な感じでこの学園の夜の話をしていた。
「昨日見たわよ、私」
「あんたあれ見たの」
「校舎の外本当に走ってたの」
「あれが」
「そう、首のない馬に乗った」
 怪談だった、この学園にかなり多いそれの一つだ。
「一つ目の顔中毛だらけで神主さんの服着た」
「夜行さん見たのね」
「夜行さんこの学園に出るっていうけれど」
「本当にいたの」
「この学園に」
「そうなのよ、いたのよ」
 これがというのだ。
「私この目で本当に見たから」
「そうなのね」
「夜行さんが本当にいて」
「夜走ってるの」
「首なし馬に乗って」
「それで私慌ててね」
 夜行さんを見てというのだ。
「隠れたけれど」
「別に夜行さん何もしないでよ」
「この学園にいる幽霊とか妖怪は」
「夜行さんにしても」
「そんな話ないわよ」
「いや、何か前にいる人を」
 その娘は夜行さんの話をさらにした。
「首無し馬に蹴飛ばさせて殺すっていうから」
「あっ、そんなお話あったわね」
 眉の太い娘が言ってきた、鹿児島出身の若田部さんだ。
「確かね」
「あるわよね」
「私鹿児島出身だけれど」
 言葉のアクセントが鹿児島のものでそれはわかる。 
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