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八条荘はヒロインが多くてカオス過ぎる

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第二百三十一話 現在進行形の美しさその十三

「教養があって社会的地位があっても」
「振られる時は振られるか」
「どんな立派な人でも」
 人格者でもだ。
「結局ね」
「振られる時はな」
「振られるよ」
 そうしたものみたいだ。
「それで振られると」
「傷付く人は傷付くからな」
「その古傷を抉る様な真似は」
 小谷君が言う通りにだ。
「絶対にしたら駄目だね」
「そう思うだろ、だからな」
「そう言うんだね」
「ああ、何があってもな」
「そうだよね」
「俺だって言われたら怨むしな」
「他の人もね」
 このことは当然だと思う、傷を抉られたらだ。
「そうなるわね」
「だから言わないさ」
「それが一番いいよね」
「それに自分がやられても嫌だろ」
 そうしたことをされるとだ。
「それならな」
「しないことだね」
「絶対にな、俺はそう思うしな」
「だからだね」
「今もお前に言うんだよ」
「自分はしないし」
「お前もな」
 僕もというのだ。
「そんなことしないよな」
「しないよ、そうしたことはね」
 このことは絶対にとだ、僕は小谷君に答えた。
「やっぱりね」
「相手が傷付くからな」
「自分がやられても嫌だし」
 このことに尽きる。
「しないと」
「自分がやられて嫌ならな」
「もう自分もね」
「しないことが筋なんだよ」
「そうだね、しかし恋愛っていうのは」
 このことについてはあらためて思った、それで言葉にも出した。
「周りからは何でもなくても」
「本人さん達にとってはこれ以上ないまでに大事だな」
「そうしたものだね」
「そうだな、じゃあ俺そろそろ自分のクラスに戻るな」
「僕もそうするよ」
「またな」
「うん、またね」
 小谷君と笑顔で別れた、そうして僕は自分のクラスに戻って催しにも復帰した。


第二百三十一話   完


                    2019・4・8 
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