八条学園騒動記
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第五百十八話 齧歯類の話からその二
「ちょっとね」
「覚えていないんだ」
「貂は出ていたわね」
「貂ってイタチの仲間だね」
「そう、この生きものは出ていたわね」
「仙人でかな」
「いえ、宝貝でね」
こちらで、というのだ。
「出ていたわよ」
「生きものも宝貝になるんだ」
「風神演義ではね」
「生きものが仙人になるだけじゃなくて」
「その場合もあって」
それでというのだ。
「犬の宝貝もいるわよ」
「そうなんだ」
「あと乗りものにもなってるし」
生きもの達はというのだ。
「太公望の四不象とかね」
「ああ、中国の生きものだね」
「今は星によっているわね」
「あの生きものに乗ってるんだ、太公望は」
「そうなの、とはいって物語の四不象で」
パレアナはこのことは断った。
「実際のとはまた外見が違うわよ」
「架空の方だね」
「そうなの、それでライバルの聞仲は麒麟に乗ってるけれど」
これまた架空の方の麒麟だ、その姿そのままの麒麟もいるが霊力を供えてはいない。「
「黒い麒麟で」
「色がだね」
「黒麒麟っていうのね」
「それも恰好よさそうだね」
ジミーは黒い麒麟の姿を想像して話した。
「黒だとね」
「そうでしょ、他にも色々とね」
「乗りものの生きものがいるんだ」
「何でも当時騎馬隊はなかったらしいけれど」
中国で騎馬隊が出て来るのは戦国時代のことだ、それまでは戦車といって馬に車を曳かせてそのうえで戦っていた。
「それでもね」
「馬もいてだね」
「騎馬隊もあるけれど」
「そこも物語だね」
「三国志演義の呂布の方天画戟と同じよ」
その時代にはなかったものだ。
「まあそういうこともあって」
「馬に乗ってる人がいて」
「仙人はね」
「そうしたものに乗ってるんだね」
「虎に乗ってる仙人もいるから」
「食べられない?」
「食べられないけれど」
それでもというのだ。
「この虎が凄く強いのよ」
「虎だけあって」
「中国のファンタジーものではよく出て来るけれど」
虎はというのだ。
「風神演義でもなのよ」
「出て来てだね」
「やっぱり強いのよ」
「そうなんだね」
「ええ、それでね」
パレアナはさらに話した。
「栗鼠もひょっとしたらって」
「思ってるんだ」
「ちなみに悪役は狐よ」
「ひょっとして」
狐と聞いてだ、ジミーは言った。
「あの妲己が」
「そう、正体は狐なのよ」
「狐の妖怪じゃなくて仙人だね」
「それも九尾のね」
「それ言ったら日本の首相みたいだね」
伊東のことである、その頭の切れからそうした二つ名もあるのだ。
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