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夢幻水滸伝

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第九十六話 仁王像その五

「戦の時はお互い全力で戦いましょう」
「望むところだ、その時はだ」
「全力で戦って」
「君達二人が一度に来てもだ」
 例えそうなってもというのだ。
「勝つと言っておこう」
「そうですか、では」
「こっちが勝つ様に鍛えておきますわ」
「楽しみにしている、だが君達は」
「まあ正直日本の皆さん嫌いではないです」
 モレイはこうも言った。
「実際に」
「そうなのだな」
「日本の棟梁さんも」
 綾乃もというのだ。
「ええ人だと思いますよ」
「人の上に立つ器の方ですね」
 ホアイはこのことをはっきりと述べた。
「まさに。ですが」
「リーがか」
「そしてシェリルさんが」
 二人がとだ、ホアイは慇懃だが譲れぬものを以て室生に答えた。
「太平洋の棟梁となるとです」
「言っておくのか」
「はい、そしてです」
「必ずか」
「そうなると申し上げておきます。そして」
 ホアイは今度は譲れぬものの代わりに温和さを入れて室生に話した。
「戦が終われば」
「それからはか」
「太平洋は統一されるので」
「仲間としてか」
「共に太平洋を治めましょう」
「そう言うのだな」
「そして女帝も雷帝も五騎星の方々も降し」
 そしてというのだ。
「全ての星の力で世界を救いましょう」
「この世界の危機は何か」
 このことについてだ、グレイカスは腕を組んで言った。
「わかりませんが」
「おいら実は占いもするんだよ」
 占い師ではないがとだ、リサールは話した。
「けれど何度占ってもな」
「世界の危機はか」
「これがわからないんだよ、アフリカの占い師の人に占ってもらってもな」
 それでもというのだ。
「わからないっていうしな」
「そうなのだな」
「ああ、ただロシアの女帝さんと雷帝さんが将来おいら達の敵になることはな」
 そのことはというのだ。
「間違いないってな」
「出ていたか」
「そうなんだよ、しかもその強さたるやな」
「相当なものか」
「洒落になってないって出たな」
「それは占いまでもないと思うが」
 アルフィアンはリサールに鋭い目を向けて告げた。
「見ただけでわかる」
「そうだけれど占ってもらってもな」
「そう出たか」
「ああ、とんでもなく強くてな」
 そしてというのだ。
「冷酷非情だってな」
「出たか」
「だから敵に回したらな」
「恐ろしいか」
「絶対に油断するなって出てたぜ」
「言うまでもないな、だがロシアとインドが結んでいるが」
 それでもとだ、バイテは話した。
「太平洋とアフリカを合わせるとな」
「国力、戦力は圧倒しているな」
「はい、そうですね」
 バイテは室生にも答えた。 
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