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八条学園騒動記

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第五百十七話 シマリスの餌その十二

「史実だとね」
「皆出ないんだ」
「言い伝えは残っていても」
「史実とはだね」
「また違うから、左慈なんて」
 三国志で最も有名な仙人の一人である。
「史実ではね」
「出ていないんだ」
「演義では出て来るけれど元々中国の仙人のお話の人で」
 列仙伝や神仙伝に出る様な人物だ、実際に左慈の話も残っていて孫策や劉表のところにも出て痛快な話を残している。
「演義にも取り入れられて」
「出て来ているんだ」
「本当に史実では出ていないし」
「左慈の妖術もだね」
「あれは物語だから」
「そうしたことからも違うんだね」
「そう、三国志演義と史実はね」
 パレアナはジミーに話した。
「水滸伝はもっとよ」
「実在人物は出ていても」
「史実とはね」
「全然違うんだね」
「一応史実をなぞっていても」
 物語の中でだ。
「史実に出ない人一杯出てるし」
 水滸伝の豪傑の殆どがそうであるし彼等と戦った者達も方朧位しか実在の人物はいなかったのが地齋のことだ。
「あれは三国志演義以上にね」
「創作の世界だね」
「妖術どんどん出て来るし」
 三国志演義以上にだ。
「物語は物語よ」
「成程ね」
「ちなみに西遊記はね」
「完全に創作だね」
「三蔵法師は実在で実際にマウリアに行ったけれど」
 パレアナは天竺を今の呼び名で話した。
「それでもね」
「孫悟空とかいる筈ないからね」
「そう、仲間も敵もね」
「牛魔王とかね」
「そうなのよ、しかしね」
「しかし?」
「西遊記の敵って普通に人食べてるけれど」
 彼等の悪行の一つである。
「神仏の乗りものやペットや従者だったのに」
「全然神聖じゃないね」
「悪いことし放題だけれど」
「お陰で唐から出て天竺に行くまでは」
「無法地帯なのよ」
 魔王達が割拠して我がもの顔に振る舞っている世界である。
「それこそ世紀末な」
「孫悟空が世紀末救世主みたいな」
「そんな世界だけれど」
「実際はだね」
「違ったから」
 現実はというのだ。 
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