八条学園騒動記
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第五百十七話 シマリスの餌その十一
「それも面白いしね」
「妖術は中国の小説だと付きものだね」
「魔法だから」
「ああ、そうだね」
「だからね」
「中華ファンタジーだと」
「妖術は欠かせないのよ」
そうしたものだというのだ。
「それでよ」
「出て来るんだね」
「そうなの」
こう話すのだった。
「三国志でもね」
「三国志は史実を基にしてるよね」
「してるけれど」
それでもというのだ。
「三国志演義よ」
「物語だね」
「そう、物語だから」
創作だからだというのだ。
「史実とはかなり違うわよ」
「そうなんだね」
「だから妖術も出て来るし」
パレアナはジミーにさらに話した。
「登場人物が使ってる武器もね」
「史実とは違うんだ」
「呂布の方天画戟とか」
呂布の代名詞にもなっている武器だ、水滸伝でも呂方というキャラクターが方天画戟を使っているがその通称は小温候つまり呂布の様な者だというのだ。
「あれあの時代にないから」
「後漢末期にはだね」
「ええ、槍とかが出て来た時代で」
槍の発明者は一説には孔明と言われている。
「そんなね」
「方天画戟はだね」
「関羽の青龍偃月刀もね」
これは関羽の代名詞になっている武器だ、とてつもなく重く関羽程の豪傑でないと扱えないとされている。
「あれもね」
「あの時代にはなくて」
「貂蝉なんて」
パレアナは今度は登場人物の話をした。
「史実だといないし」
「架空のキャラだね」
「ええ、呂布とのロマンスがあるけれど」
「実在していないんだ」
「そうよ、あと演義じゃ貂蝉死なないから」
「あれっ、死んでない?」
貂蝉が死んでないと聞いてだ、ジミーは思わず聞き返した。
「呂布と董卓を惑わして呂布に董卓を殺させて」
「そこでよね」
「ことが成ってね」
それでというのだ。
「自害したんじゃ」
「それ日本の小説が最初だから」
吉川英治が最初に書いた話だ、この作家らしい話の展開だろうか。
「今は普通だけれど」
「演義では違うんだ」
「呂布と一緒になるから」
「結局呂布のところにいくんだ」
「そこから出番まるでないけれどね」
呂布が死ぬとそこから全くなくなる。
「それでその貂蝉もね」
「実在していないくて」
「色々妖術が出るし仙人も出るけれど」
それでもというのだ。
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