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八条学園騒動記

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第五百十七話 シマリスの餌その八

「牛魔王なんかは平天大聖だし」
「孫悟空が斉天大聖で」
「そう、平天大聖よ」
「殆ど変わらないね」
 ジミーが見てもだった。
「兄弟みたいだよ」
「あっ、孫悟空と牛魔王義兄弟よ」
「そうなんだ」
「その縁もあるのよ」
「そうだったんだ」
「ちなみに牛魔王の正体は」
 パレアナはこの話もした。
「老子様の牛よ」
「ああ、太上老君だね」
 中国の宗教である道教ではこの時代も最高位の一柱と言ってもいい非常に位の高い神である。実在人物だったと言われている。
「あの神様だね」
「そう、あの神様が乗っている」
「牛なんだ」
「それが牛魔王なのよ」
「位の高い神様が乗ってるから」
「やっぱりね」
 従っている動物もというのだ。
「強くて」
「それでなんだ」
「孫悟空ともね」
「渡り合える位なんだ」
「強いのよ」
 そうだというのだ。
「牛魔王もね」
「そうなんだね」
「ええ、ただやっぱり孫悟空はね」
「桁外れに強いから」
「最強って言っていいから」
 物語の中でというのだ。
「そりゃお釈迦様や老子様は別格よ」
「そりゃそうだよね」
「だからお釈迦様の手の平にいたけれど」
 西遊記で最も有名な場面の一つだ、孫悟空が幾ら筋斗雲で飛んでも釈迦如来の手の平の上のことであったのだ。
「こうした別格の神仏は置いておいて」
「並の神仏ならだね」
「束になっても適わない位強いから」
「二郎真君でも龍王でも」
「適わない位に」
 そこまでというのだ。
「強くて」
「それでだね」
「物語でも本気になれたら」
 物語上何かと起こる足止めがなければだ、孫悟空そして猪八戒も沙悟浄もあまりにも強いのでストーリーを面白くするうえでそうしたものがないとどんな敵もすぐに倒してしまって面白くないからだ。
「もうね」
「あっという間に敵を倒すんだね」
「どんな敵でもね」
「その牛魔王でもだね」
「まあ牛魔王は強かったけれど」
 それでもというのだ。
「やっはりね」
「孫悟空は強いから」
「あの如意棒を出せば」
 孫悟空の有名な武器だ。
「もうね」
「それでだね」
「何でもありってね」
「そう言っていい位強いから」
 それでというのだ。
「三蔵法師にしても」
「足手まといじゃないと」
「駄目だったかもね」
「そうなんだね」
「ええ、ただね」
「ただ?」
「孫悟空は猿だけれど」
 それでもとだ、こうも言うパレアナだった。 
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