八条学園騒動記
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第五百十六話 本をなおしてその十
「そして人間はな」
「馬鹿になるとね」
「あそこまでなること、そしてどうして馬鹿になるか」
「全部わかったのね」
「下を知るのもいいことだってこともな」
「馬鹿な人をね」
「世の中上には上がいるが」
それと共にというのだ。
「下には下がいる」
「そして下には落ちない」
「ああはなるまいと思ってな」
反面教師、それにしてというのだ。
「だからだ」
「嫌な経験でも」
「いい経験だ、しかし二度とな」
「そんな人に会ってね」
「そんな経験をしたくない」
こう言うのだった。
「俺はな」
「そうよね、私だってね」
「そんな親戚は持ちたくないな」
「ひいひいお祖父ちゃんが会った馬鹿にもよ」
ナンシーは自分の話もした。
「出来るならね」
「絶対にだな」
「会いたくないわ」
「そうだな」
「だってね、他人の悲しみや苦しみが一切わからなくて」
それにというのだ。
「わかろうともしない」
「そいつも本当に白痴だな」
「それレベルの馬鹿だから」
それ故にというのだ。
「もう絶対にね」
「会いたくないな」
「ええ、馬鹿に会うことがあっても」
「人間として最低だからな」
「法律もわかっていなくて」
「無政府主義と言うべきだが」
権力、ここで言う権力は国家権力だ。この世にある権力が国家権力しかないと考えていての思想もと言えば思想もどきであろう。
「そもそも権力は一つでないしな」
「テロリストも権力でね」
「この世の中国家権力、そして法律がないとな」
「もうどうなるかはわね」
「世紀末の世界になる」
「モヒカンがバイクに乗って暴れ回ってる」
某漫画の様な世界になるというのだ。
「そうなるわよね」
「そんな世界がいいのか」
「そう思うのが普通よね」
「それすらもわからずな」
「しかも犠牲者や遺族の人達の命の重みもわかろうともしないで」
そしてと言うのだ。
「苦しみも悲しみもね」
「わからないならな」
「白痴だ」
洪童は忌々し気に言い捨てた。
「俺の親戚と同じでな」
「生きる価値すらない」
「そこまでの馬鹿だ」
「下の下ね」
「そうだな、そんな奴がシェークスピアを呼んでもな」
「わからないでしょうね」
そこに書かれていることがというのだ。
「一切」
「間違いなくな」
「そしてわからないままね」
「馬鹿として生きてな」
そしてというのだ。
「無駄に飯を食ってな」
「周りに害ばかり与えて」
「誰の役にも立たずだ」
誰を助けることもなく、というのだ。
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