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八条学園騒動記

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第五百十六話 本をなおしてその九

「いい」
「もう誰にも害にしかならないから」
「例えば献血もな」
「それをしたこともないの」
「一度もな、俺は何度かあるがな」
「売血出来るでしょ」
 連合ではこの制度が復活している、よくホームレスとして保護されている人がそうしてさしあたっての金を得ている。
「それもなの」
「だからケチでな」
「そんなこともしないのね」
「誰かの為に身を削るとかな」
「ご機嫌取り以外にはなのね」
「絶対にしない」
 洪童は眉を顰めさせて述べた。
「何があってもな」
「見事な自分だけの人ね」
「何から何までな」
「いや、聞けば聞くだけね」
「酷い奴だな」
「それじゃあ見捨てられてもね」
「仕方ないな」
「本当にね」
 ナンシーも納得することだった。
「どうにもならないわね」
「子供というかな」
「子供以下よね」
「子供以下となるとな」
 それこそと言うのだった。
「もう白痴だな」
「白痴は子供以下だな」
「子供はまだ分別があるわね」
「それを備えていくが」
 今はどうにもならない、しかしだ。
「白痴はな」
「絶対によね」
「何も学ばない」
「そんな人だから」
「どうにもならない」
「それでその人は白痴ね」
「本当にな、何を学ばないなら」 
 それこそというのだ。
「子供以下だ」
「大人でもね」
 年齢こそそうでもというのだ。
「実はね」
「子供よりもだ」
「下手な子供よりもね」
「幼稚でだ」
「愚かよね」
「そんな奴もいる」
 世の中にはというのだ。
「俺はそのこともわかった」
「嫌な経験よね」
「かなりな、しかしな」
 嫌な経験だ、だがそれでもとだ。洪童はナンシーに話した。
「いい経験だ」
「嫌な経験でも」
「いい経験だ」
「それはどうしてかっていうと」
「わかるな」
「人間、そしてよね」
「世の中のこともわかったからな」
「それでよね」
「いい経験だった」 
 そうだったというのだ。
「色々と学べた」
「馬鹿な人を見て」
「ああはなるまいと誓ってな」
 洪童から見てとにかく最低最悪な人間だ、親戚とはいえ唾棄すべきとかく否定して止まない人間だからだ。 
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