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八条荘はヒロインが多くてカオス過ぎる

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第二百三十話 たけなわになってその十一

「だから新選組も壬生狼とか言われたし」
「剣客ばかりでござったから」
「うん、荒くれ者の集まりみたいにね」
 まさにだったのだ。
「思われていたんだ」
「そうでござるな、やはり」
「だから坂本龍馬さんも心配したし」
 古くからの友人と言える人達をだ。
「西郷さんもね」
「矛盾しているでござるな」
「新選組は沢山の人が非業の死を遂げていて」
 芹沢鴨も近藤勇もだ、沖田総司も僅か二十四歳で結核で倒れている。
「それでね」
「西郷さんもでござるな」
「武市半平太も岡田以蔵もだしね」
 この人達もだ。
「結局そうなっているから」
「暗殺は因果が巡るでござるな」
「因果応報ってことだね」
 文字通りにだ。
「やっぱり暗くて悪いことだからね」
「報いはあるでござるな」
「暗殺をする人はいい死に方はしないよ」
「西郷さんの様な人でも」
「そうだよ、しかし」
 ここで僕はふと思ってだ、マルヤムさんに話した。
「実はね」
「どうしたでござるか」
「坂本龍馬さんの暗殺の話をしたけれど」
「新選組ではないでござるな」
「京都見廻り組だよ」
 もうこちらの行いで間違いないらしい。
「佐々木唯三郎が実行犯でね」
「確実でござるな」
「この人新選組にも関わりあるから」
「そうでござったか」
「新選組は最初は清河八郎が創設したけれど」
 早速芹沢鴨と近藤勇が反対して手を結んで暗殺しようとして難を逃れている、新選組は最初からヤクザ映画的だったのだ。
「この人も暗殺されているよね」
「江戸でそうなったであるな」
「この人を暗殺したのも」
「佐々木唯三郎さんでござるか」
「そうなんだよね」
「その人も暗殺しているでござるか」
「それで坂本龍馬さんもだけれど」
 この人もその手で切ったけれどだ。
「直新陰流の達人だったね」
「勝海舟さんと同じでござるな」
「もっと言えば畑中さんもだけれど」 
 この人のことも忘れなかった。
「実は直新陰流って薩摩藩でも盛んだったんだ」
「示現流だけではないでござるか」
 僕の今の話にだ、マルヤムさんは驚いて聞き返してきた。
「薩摩藩は」
「確かに示現流はお家芸だよ」
 薩摩藩のだ。
「けれどね」
「直新陰流もでござるか」
「そうなんだ」
「それは知らなかったでござる」
「それでね」
 このことが関係しているのだ、坂本龍馬暗殺については。
「佐々木唯三郎に坂本龍馬暗殺を命じた人は」
「まさか」
 マルヤムさんは僕の言葉に眉を顰めさせて言ってきた。
「西郷さんでござるか」
「そうした説もあるんだ」
「まさかと思うでござるが」
「同じ勤皇派だしね」
「しかも薩長同盟を結ばせてくれた人でござる」
 これまで仇敵同士で憎み合ってきた二つの藩をだ。 
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