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八条荘はヒロインが多くてカオス過ぎる

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第二百三十話 たけなわになってその九

「革命家と言って尊敬しているってね」
「言っていたでござるか」
「龍馬さんをね、最初ね」
 僕はマルヤムさんにさらに話した。
「志士の人達が革命家って呼ばれて」
「どうしたでござるか」
「違和感あったよ」
「志士と思っていたからでござるか」
「志士って革命家になるんだってね」
 志士は志士だと思っていた。
「そうね」
「そうだったでござるか」
「そこがね」
 どうにもだ。
「違うね」
「日本と世界の認識の違いでござるな」
「本当にそうだね、確かに明治維新は革命で」
 これも外国からの言葉だ。
「それもかなり成功した革命だね」
「拙者もそう思うでござる」
「維新も革命とはね」
「思わなかったでござるか」
「うん、その認識はなかったよ」
 僕にしてはだ。
「他の国の人に言われるまでは」
「いや、幕府が倒れてでござる」
「明治政府になったからだね」
「あれは革命でござるよ」
 紛れもなくという返事だった。
「拙者から見ても」
「国の在り方が変わった」
「それも根本から」
「そうなるんだね」
「そして龍馬さんはでござる」
「革命家だね」
「しかも革命を成功に導いた」
 薩長同盟を結ば差せてだ。
「日本最高の革命家の一人でござる」
「最高のだね」
「西郷隆盛さんと並ぶ」
「西郷さんも人気高いんだよね」
 幕末、明治の人の中でもトップクラスだ。
「特に鹿児島の人から」
「今も深く敬愛されているでござるな」
「そうなんだ」
「まさにそれだけの方でござるな」
「そうだよね」
「確か西郷さんは剣は使えなかったでござるが」
「子供の頃に腕を痛めてね」
 それまでは薩摩藩の武士の子達でも強かったらしい。
「それからね」
「学問に生きたでござるな」
「この時落ち込んだけれど」
 役立たずになったと泣いたらしい。
「大久保利通さんに励まされてね」
「立ち直ったでござるな」
「この二人は幼馴染みで親友同士だったから」
 明治になって征韓論で袂を分かってしまったけれどそれでもお互いに信じ合って気にかけ合っていたらしい、大久保さんは暗殺されるその時に馬車の中で西郷さんの手紙を読んでいたと言われている。
「それでなんだ」
「大久保さんが励ましたでござるか」
「武がなければ文があるって言ってね」
「それで西郷さんは文の人になったでござるか」
「学問をはじめてね」
「そうしてあそこまでの人になったでござるか」
「そうなんだ」
 これが西郷さんの前半生の一幕だ。
「あの人はね」
「剣道はしなくとも」
「幕末の偉人になれたんだ」
「そうでござるか」
「明治維新は坂本龍馬もいて」
 そしてだ。
「西郷隆盛もいて」
「そうしてでござるな」
「成ったからね」
「そこまでの方々でござるな」
「他の人達もいてだけれど」
「お二人はその中でもでござるな」
「特別な人達だと思うよ」
 何といってもだ。 
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