八条荘はヒロインが多くてカオス過ぎる
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第二百三十話 たけなわになってその八
「だからね」
「仕方ないでござるか」
「本当に当時そう思われていたから」
「龍馬さんを殺したのは新選組だと」
「証拠はなかったけれど」
それでもだった。
「クロだって思われていたし」
「そう思われる背景がでござるな」
「あったから」
伊藤甲子太郎さんが言う位にだ。
「しかも前科が凄いから」
「新選組は闇討ちでござるな」
「騙し討ちとかね」
「それで多くの志士の人を殺して」
「そんなのだったから」
池田屋騒動然りだ。
「だからね」
「龍馬さんも疑われたでござるか」
「しかも身内でもだったから」
騙し騙され殺し殺されだ、本当にヤクザ映画みたいに。
「余計にね」
「疑われてでござるな」
「確信持たれてたから」
坂本龍馬暗殺は新選組の行いだとだ。
「そうなったんだよ」
「違っていても実際と思われるでござるか」
「そう、本当に」
このことはというのだ。
「日頃の行いでね」
「それが悪いとでござるな」
「疑われて」
「確信されるでござるな」
「そうだよ、それがね」
まさにだ。
「悪い結末にもなるよ」
「打ち首にもでござるな」
「そうなるんだよ、しかし」
「しかしとは」
「いや、近藤勇さんは天然理心流で」
僕はマルヤムさんに流派の話もした。
「龍馬さんは北辰一刀流で」
「それぞれ流派が違うでござるな」
「またね、それで龍馬さんも強かったことはね」
「事実でござるな」
「このこと有名だけれどね」
龍馬さんを知っている人、ファンの人達の間では常識の一つだ。それこそ海援隊や暗殺されたことと同じだけだ。
「実際に刀はね」
「あまり使っていないでござるな」
「そうなんだよね」
だから拳銃も持っていた。
「そっちへのこだわりはない人だよ」
「そうでござるな」
「新しい、より確実なものを求めてね」
「身に着ける人でござるな」
「そこが魅力だしね」
「拙者も龍馬さん好きでござる」
マルヤムさんは笑顔で答えてくれた。
「颯爽とした革命家でござるな」
「ああ、世界から見ればね」
僕は外国の人が見た坂本龍馬観も思い出した。
「志士はね」
「革命家でござる」
「そうなんだよね」
「それで龍馬さんもでござる」
「革命家でね」
「恰好いいでござる」
やっぱり微笑んで言った。
「誰以上に」
「そうだね、チェ=ゲバラもね」
カストロと共にキューバ革命を成功に導いた人だ、政治家というよりかは戦士といった人だったみたいだ。
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