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夢幻水滸伝

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第九十五話 南洋の星達その五

「ほんまに」
「そやな」
 その通りだとだ、ロシティーも頷いた。
「わい等の間でも」
「日本のものやが」
「日本に入って結構経つからな」
「定着したわ」
「ほんまにな」
「言葉もだな」
 リーがスーンとロシティーに言ってきた。
「日本語でもな」
「関西弁で喋る様になったな」
「それが定着したわ」
「そうだな、私は違う様だが」
「いや、棟梁も結構な」
「関西弁のニュアンスやで」 
 スーンとロシティーはリーの喋り方を今聞いて述べた。
「完全にな」
「そうなってるで」
「イントロとかがもうな」
「関西弁やで、それも大阪の感じや」
「大阪か。大好きな街だ」
 リーは大阪と聞いてこう述べた。
「起きた世界でいる神戸も好きだが」
「日本で一番魅力的な街かもな」
「あそこはな」
「そうかもな、それで二人共いいか」
 リーはスーンとロシティーとのやり取りを終えてからあらためてダーガーとアミンに声をかけた、その二人にだ。
「ここはだ」
「はい、ジャンケンでですね」
「決めよというのですね」
「そうだ、いいな」
「わかりました」
「ほなそうさせてもらいます」
 ダーガーとアミンはリーの言葉に頷いてだった。
 そのうえでジャンケンをはじめた、先になったのはアミンでダーガーはその後で待つことにした。その二人を見てだった。
 長い金髪に見事なスタイル、赤い瞳と白い肌と翼を持つ女が言った。地進星テレサ=レイエスだ。フィリピン出身の天使で職業はアサシンという。右手には神具である死神の大鎌がありその中指にはやはり神具である姿を消すアンジェルカの指輪がある。
 その彼女がだ、こうリーに言った。
「棟梁、この大仏は」
「君が見てもだな」
「尋常でないものを感じる」
 言葉遣いは固いが口調のニュアンスはやはり関西のものだ。
「恐ろしいまでの」
「そうだな、霊的な力がな」
「シェリルさんの言う通りに」
 まさにというのだ。
「凄いものを感じる」
「全くだな」
「これだけのものがあれば」
 まさにというのだ。
「日本を護れる、しかも」
「大仏だけではない」
「先に話が出たがな」
「春日大社等もありだ」
「この平城京、ひいては大和だけでもな」
「日本を幾つも護れる霊的な力がある」
「日本にある霊的な力だけで」
 今度は日本全体の話だった。
「太平洋全体を護れるか」
「それも可能だな」
「そうですね」
 身体が透けている、ゴーストという肉体を持たず魂だけの種族だ。黒い大きな瞳に黒髪を左右で編んだ小柄な少女で質素な感じの緑のケルト調の法衣を着ている。ドルイドの証の法衣だ。
 名をチュット=ソヴァン=ヴァンナリーレアクという、ミャンマー出身で星は地鎮星にある。神具として自分と周りの気力と体力を回復させる壁地珠と多くの敵に精神攻撃を行う落魂鐘の二つを持っている。
 そのチュットもだ、こう言った。 
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