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八条学園騒動記

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第五百十六話 本をなおしてその四

「俺も言う」
「ケチで冷たくもあったって」
「そうな」
「実際にそうだから」
「ああ、本当にな」
「冷たい人だったのね」
「何しろ家事で忙しくて疲れている人にコーヒー淹れろだ」
 そう言ったというのだ。
「そう言って家の人に疲れているとな」
「言われたの」
「だからコーヒー位だ」
「自分で淹れろなのね」
「豆やインスタントならあるからな」
 それでと言われたというのだ。
「そう言われてな」
「というか疲れている人に言うことも」
「無神経だな」
「そりゃね、もうね」
「誰からも見放されるな」
「あんたもそうしてるのね」
「どうなっていてもいい」
 実に素っ気ない言葉だった。
「どうせまた見付かって保護してもな」
「恩に感じない人で」
「学ぶこともないからな」
「だからもう見放してるのね」
「死んでいてもな」
 例えそうなっていてもというのだ。
「別にな」
「いいのね」
「全くな」
「そうなのね」
「というか死んでいたらな」
 仮にでもそうなっていた方がというのだ。
「もう害にならないからな」
「いいのね」
「どうせ子供も友達もいないしな」
「天涯孤独ね」
「そうだ、何もない」
 まさにというのだ。
「それでいて偉そうだ」
「何もないのに」
「何も出来ないし何も知らないのにな」
「つくづくどうにもならない人だったのね」
「そうした人間でも甘やかされていてな」
 母親にというのだ。
「どうにもならなくてもな」
「偉そうになったのね」
「俺はある言葉を信じる様になった」
 その親戚を見てというのだ。
「鳶が鷹を生むが馬鹿な親からはな」
「馬鹿な子供が出来るのね」
「そうなる」
 まさにというのだ。
「馬鹿な親がまともに人を育てるか」
「そんなこと出来ないから」
「馬鹿な子が生まれる」
「教育ね」
「遺伝じゃなくてな」
「変な人は人を育てられないからね」
 このことは学校の教師でも同じだ、まともな教師でないと人は育てられないのだ。
「結局は」
「それでそうなる」
「馬鹿な親御さんからはね」
「馬鹿な子供が出来るんだ」
「生まれてね」
「そうした風に育てられる、ただな」
 ここでだ、洪童はこうも話した。
「反面教師にするとな」
「育つのね」
「馬鹿な親からでもな」
「まともな人が育つのね」
「親だけじゃないからな」
 子供に影響を与える人はだ。 
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