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夢幻水滸伝

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第九十三話 奈良会議その十二

「オセアニアの民族衣装もありますから」
「そういえばパプワニューギニアの奴もおるな」
「あの国も」
「ほなやっぱり凄いな」
「そして中南米とアフリカもですから」
「そちらも派手やな」
 中里はその勢力のことにも言及した。
「そやろ」
「その通りです」
「やっぱりそやな」
「そして我々もです」
「礼装か」
「そちらに着替えましょう」
 太宰は中里にあらためて話した。
「是非」
「ほなな」
「尚下着はそのままで構いません」
 太宰はこのことも真顔で話した。
「ご安心を」
「ブラとショーツのままでええんやね」
 綾乃は太宰の今の話にすぐに顔を向けた。
「そやねんな」
「はい、当時の下着もありますが」
「それって女の子でもやね」
「そうなります」
 褌だというのだ。
「実際に江戸時代ではそうでした」
「若しくは穿いてないか」
「湯文字もありましたが」
「基本あれやね」
 綾乃は褌と言うのが恥ずかしくてこう表現した。
「うちあれは」
「ではです」
「ブラとショーツのままでやね」
「どうぞ。では棟梁をはじめとして女性の方は」
 彼女達はと言うのだった。
「これよりです」
「皆十二単になって」
「それぞれの勢力の方を迎えましょう」
「ほなな」 
 こう話してだった、そのうえで。
 綾乃達は礼装に着替えた、当然ながら中里や芥川もであったが二人は男の礼装に着替えてから出迎えの場所に言って十二単姿の綾乃を見て言った。
「うわ、奇麗やな」
「よお似合ってるな」
「似合ってるんやったらええけど」
 綾乃はその十二単姿で応えた。
「着るのごっつい手間かかったし」
「それに重そうやな」
「文字通り十二枚やし」
「ちょっと動くことさえな」
 実際にと言う綾乃だった。
「しんどいで」
「やっぱりそやな」
「見てて思うわ」
「そやで、けれどこれ着たら」
 まさにと言うのだった。
「何か凄い雅な気持ちになれるわ」
「十二単は伊達やないな」
「まんま源氏物語やしな」
「それで和歌とかもな」
 綾乃は礼装姿の二人に微笑んで話した。
「詠うことは出来んけどな」
「それでもやな」
「聞いたりとかやな」
「読むこともな」
 そちらもというのだ。
「したいわ」
「そやねんな」
「今の綾乃ちゃんの気持ちは」
「しかも都合のええことに今は梅も桃も桜も咲いてるし」
 そうした花々もというのだ。 
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