ベル・クラネルが魔剣使いなのは間違っているだろうか
しおりを利用するにはログインしてください。会員登録がまだの場合はこちらから。
ページ下へ移動
16話
何時も通りの朝。ダンジョンへと向かっていた。
「やっぱり、この視線はなれないな」
何時もバベルから感じる視線。敵意はないが、好奇心と好意が混ざりあったようなそんな視線だ。
「害がないから無視してるけど……神様に相談した方がいいかな」
「お兄さん、お兄さん。白髪のお兄さん」
「ん?」
考え事をしながら歩いていると突然声をかけられた。
「下ですよ、下」
「え、あっ」
言われた通りに下へと目を向けると、フードつきのローブを着た少女がいた。
「小人族?」
「むっ、失敬な!確かにリリは小さいですがこれでも立派な犬人ですよ!」
フードを脱いで見えたのは立派な犬耳だった。
「本物?」
「はい。なんなら触ってみますか?」
「え、良いの?」
「はいです!」
触ってみると確かに犬の耳らしいふさふさとした肌触りを感じたようだ。
「確かに本物だ」
「な、納得していただけましたか。あと、その、そろそろ……」
「あっ、ごめんね」
手を離した。だけど、ベルは違和感を覚えていた。
(でも、この顔あの子そっくりなんだよね。偶然なのかな)
ベルには少女リリの顔に見覚えがあった。だが、彼女の種族は小人族ではなく犬人。
(師匠が昔言ってたけ。世界には三人同じ顔の人がいるって言葉があるって)
そんな昔の子とを思い出していた。
「それよりお兄さん。サポーターをお探しじゃありませんか?」
「サポーターを?」
「はい。この卑しいサポーターめが施しを欲しているだけですよ」
些か疑問が残るもののベルは承諾することにした。
「それじゃあ頼めるかな?正直サポーターさんがほしいと思っていたところなんだ」
「それじゃあ契約完了と言うことですね」
「うん。ああ自己紹介がまだだったね。僕の名前はベル。ベル・クラネルだよ」
「リリはリリルカ・アーデと言います。末長くお願いしますね。ベル様」
こうしてベルはリリと言うサポーターの少女と共にダンジョンへと向かっていったのであった。
ページ上へ戻る